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山 名
福田頭(1252m) 広島県庄原市比和町
登山日 2008年6月7日(土) 晴れ
比和町木屋原から望む福田頭
参加者 夫婦
コース 登り:福田上集会所(9時55分)〜最奥民家(10:10)〜(10:40)登山口(10:45)〜一の滝分岐(10:58)〜二の滝(11:11)〜三の滝(11:19)〜水呑場(11:57)〜おおはの峠(12:10)〜肩(12:32)〜(12:50)福田頭 所要時間2時間55分
下り:福田頭(13:30)〜展望所(13:45)〜兎舞台頭(13:55)〜昇竜の滝(14:40)〜(14:50)下山口 所要時間1時間20分
お弁当 福田頭で食べました(他の候補としては展望所が挙げられます)
駐車場 福田上集会所前(10台くらい) 林道下山口(20台くらい)
トイレ 木屋原のグリーンポート吾妻路(水洗です) カサベルデの屋外トイレ(おそらく水洗だと思います)
まとめ 昨年の同じ時期に、福田頭にランを見に行こうと思い比和町に向かったが、天候が思わしくなかったので登頂を諦めて府中市の山に変更した。あれから1年後の今回は降水確率0%の予報だったので、天候のことを心配することなく思いっきり楽しめました。

この山は登山口と下山口が離れているので、折りたたみ式の自転車を活用することにしている。福田上集会所で奥さんを下ろして車で下山口に向かう。下山口に車を置いて駐車場を出たところで上ってくる登山者の車に出合う。でっかくていい車だ、誰だろうか?後日わかったことだが「低山名山」さんでした。福田上集会所までの距離は約3.9kmと長いが、道は良くてずっと下りだからほんの6分で集会所まで戻ってきました。


福田上集会所 福田上区集会所の前の舗装道を山の方に向かう。小川に沿った道を進んでいくと約15分で最奥民家があり、案内標識に従って青い手摺りの付いた橋を渡ります。

道ばたには、背の高いコウゾリナがひときわ目を引き、各種アザミ、各種ツメクサ、オオイヌノフグリ、カタバミ、ギシギシ、ツルマンネングサニガナノミノツヅリミツバツチグリなどの花が咲いている。
橋を渡る
福田上集会所の手前から入る 青い手摺りの付いた橋を渡る

田んぼの中の道を歩いて坂道を登っていくと舗装された林道に出合うので、案内標識に従って左折して林道を詰めていきます。林道には、ウツギ、殆ど終りのエゴノキガマズミキンポウゲコアジサイコゴメウツギの花が咲いている。奥の方にヒノキ林があるので植林用に造られた林道なんだろう。

この林道歩きは結構長い。いい加減に草臥れた頃ようやく「福田頭登山案内」の大きな案内板の立つ登山口に着きました。案内板のところに登山届記入用のポストがあるので記帳する。今日は既に2組の登山者が入山している。下山口の方からピストンする人もいるだろうから、きっと山頂に着くと大勢のハイカーで賑わっていることだろう…とこのときは思っていました…。
登山口
緑が濃くなってきた福田頭の登山口

二の滝 ゲンノショウコの咲く登山口を入ると僅か1分で、丸木橋を左岸に渡りヒノキ林の中を高巻いて登っていきます。エンレイソウやチゴユリは終わっていて季節は急速に夏に向かって進んでいることを伺わせる。やがて大きなナツツバキの樹の下を通過すると間もなく右岸に渡り返します。

斜面をジグザグに登っていくと一の滝分岐がある。今日は連れの体調が思わしくないので、一の滝はパスして先に進む。ヤマゼリ、ヤブレガサ、ヤマアジサイなどの花が準備中で、もう半月もすれば花が咲き始めるだろう。この辺りは広葉樹の森だがスギも散見される。やがて沢沿いの道となり二の滝が見えてきた。
穏やかに流れ落ちる二の滝

二の滝からは沢沿いの道が続き、コチャルメルソウラショウモンカズラの春の花が咲いている。春と初夏が同居しているようです。三の滝の前で再び左岸に渡り、滝の右手を登っていくと、登山道が二手に分かれている。どちらも踏み跡があるので少し躊躇したが左の道を採ると、沢沿いの道となり、補助ロープの張られた道を進んでいくと直にもう一方の道と合流した。

後ほど、カサベルデの木本館長に聞いたところ、「ヒノキ林の中の道では変化に乏しいので、登山者の皆さんに楽しんで頂くために、新しく沢沿いの道を切り拓いた。」とのことでした。ありがとうございます。そして御苦労さまでした。
三の滝上部
三の滝上部の沢沿いの道

道が合流するとスグに湿地帯に入る。明るい谷には、ウワバミソウクルマググラコゴメウツギタニギキョウツクバネソウフウロケマンミズタビラコ、ミツバウツギ、ムラサキサギゴケヤグルマソウなどの花が咲き乱れている。

圧巻は谷を覆うヤブデマリの白い花!必見です。ランはコケイランを見かけただけで、目的の白いランは少し遅すぎたようです。同様にルイヨウボタンも花は終わっていました。湿地帯を抜けるとブナの混じる広葉樹の森となり、やっと水呑場まで辿りつきました。花を観察しながら登ってきたので随分と時間がかかってしまいました。同じ日に登った低山名山さんの福田頭レポートでは、カモメヅルの仲間のツクシガシワの花(残念、気がつかなかった)が紹介されていました。
水呑場分岐
湿地帯を過ぎると水呑場分岐

おおはの峠 水呑場から10分余りで大波(おおはの)峠に着く。北には比婆竜王山が近くに見え、詳しくは確認していないが道後山方面も見えている。小休止の後、福田頭山頂に向けて最終アプローチに入る。小コブまで10分、さらに肩まで10分で、そこから先は緩やかな稜線歩きです。

麓では花後だったチゴユリユキザサは標高1200mまで登ってくると未だ健在で花盛りだ。ガマズミカマツカも見頃だ。コマユミも稜線沿いにたくさん咲いている。ナルコユリやサワフタギは準備中だが、その一方でオオカメノキは終わりを迎えている。山頂が近くなるとイワカガミギンリョウソウが目立ち始めました。
大波(おおはの)峠

植生が灌木に変わり、辺りが開けてくると福田頭に着く。おやおや誰もいないではないか。皆さんどこへ行ったのかな?山頂からの展望は、東には比婆竜王山〜道後山〜猫山〜井西山までが見え、反対方向の西側は大万木山〜高野毛無山〜猿政山〜吾妻山までが見えているが、お隣さんの比婆山方面は背の高い樹木に覆われて展望がないのが残念です。

山頂一帯はタニウツギのピンクの花で埋まり、申し訳なさそうにレンゲツツジが咲いている。スノキも頑張って咲いている。ホツツジは未だ蕾で、ダイセンミツバツツジは終わっていました。よく観察してみると山頂はツツジだらけですネ。稜線には涼しい風が渡り、綿毛の付いたヤマヤナギの種子が風に乗ってユラユラと運ばれていました。
福田頭
福田頭の山頂にて

福田頭山頂から北西方面の眺め(位置を変えれば大万木山ははっきり見えるが、この位置からでは樹木が邪魔をします)

兎舞台頭 下山は稜線を北に向かう。こちらにはギンリョウソウが多く、マイヅルソウツリバナが見られた。山頂から15分の展望所からは眼下に福田の集落が広がり、遠くには三角錐の八国見山らしき山容が認められる。

さらに北に進み心持ち左カーブすると兎舞台頭に着く。ここで稜線と別れて、西斜面を大規模林道下山口に向けて下っていきます。西斜面のブナは素晴らしい。自分は備後の山では、この福田頭西斜面のブナが一番好きだ。
ブナの森
兎舞台頭(ここから西斜面へ) グリーンシャワー!ブナの森

右手に木の間越しにではあるが比婆山系(吾妻山、比婆山、池の段、立烏帽子山)の雄大な山並みを見ながらササ床の尾根道を下っていき、ジグザグ道に入ると、幹廻り3mはありそうな大ブナが登山道わきに立っていた。昇竜の滝から沢沿いの道を下っていくと大規模林道下山口に出る。

下山口にある車の台数と入山している組数を計算すると勘定が合わない。車の方が1台多いのだ。とすると自分たちの後ろを歩いている人がいるのだろうか?実はいたんですねえ。低山名山さんが…。
下山口
大規模林道下山口と駐車場

コゴメウツギ ミズタビラコ コケイラン チゴユリ
つぶつぶコゴメウツギ 沢沿いにはミズタビラコ すっと立ち上がるコケイラン 恥ずかしがり屋のチゴユリ
イワカガミ タニウツギ スノキ マイヅルソウ
密生するイワカガミ 山頂はタニウツギで埋まる スノキも負けじと咲く 地味なマイヅルソウ

福田頭(カサベルデより) 今回、福田頭に登ったもう一つの目的は、カサベルデの木本館長にお会いするためでした。下山してからカサベルデを訪れると、事務所の窓から顔を出して出迎えて下さった。格安の風呂(今までは100円だったが200円に値上げされていた。それでも安い!)で汗を流し、奥さんが上がってくるまでの間、珍しいランやオオチゴユリなどの話をする。

あまり長居をしてもいけないので、30分くらい話をして切り上げる。館長と玄関から正面に見える福田頭に挨拶をして福田集落を後にしました。目的のランは見つからなかったけど福田頭はいい山でした。次回訪れるときは少し時期を早めてみたい。
カサベルデから望む福田頭(中央のピーク)

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