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山 名 |
天杉山(1174m) 岩倉山(1023m) | 島根県益田市匹見町 |
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登山日 | 2005年6月26日(日) 晴のち雨のち曇 |
亀井谷林道から見る岩倉山
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参加者 | 単独 | |
コース | 亀井谷林道車止め(8時)〜亀井谷橋(8:05)〜亀井谷奥橋(8:20)〜道を間違え23分のロス〜石組み(9:18)〜33曲り(9:26)〜(9:53)台所原(10:00)〜中川山(10:27)〜(10:30)鳥越峠分れ(10:35)〜(11:05)天杉山(11:10)〜鳥越峠分れ(11:40)〜尾根から下りる(12:03)〜(12:15)鳥越峠(12:45)〜岩倉山(13:05)〜鳥越峠(13:30)〜亀井谷奥橋(14:20)〜(14:35)亀井谷林道車止め 所要時間6時間35分 | |
お弁当 | 鳥越コル広場で食べました。他には天杉山山頂、岩倉山山頂手前が適しています。 | |
駐車場 | 林道鎖止め手前の駐車スペース(詰めれば10台くらいです。) | |
トイレ | ありません。事前に済ませておくことが肝要です。 | |
まとめ | 今年は梅雨入りしてから雨が降らない。でも今日の予報はめずらしく「宵のうち雨が降る」とのことだったので早めの行動を心掛けました。ところが午前10時すぎから小雨が降りだし、一時あがったものの今度は1時間くらい本格的な降りとなり、散々な山行きとなってしまった。でも岩倉山で雨上がり後のパノラマが見れたから良しとすべきか! |
国道191号線を走り県境を越えると今では益田市だ。出会橋交差点を左折して匹見方面に向けて3kmくらい走ると下道川上の集落が見えてくる。消防団の車庫を右手に過ごしスグの赤茶色の屋根の民家のところから集落に入り、匹見川に架かる倉渡瀬橋を渡ったところを左折して亀井谷林道に入っていきます。
林道は未舗装のうえ、デコボコが多く乗り入れるにはある程度の覚悟が必要でしょう。林道入口から1.5km走ると車止めがあり、その手前50mのところに駐車スペースがあります。 車止めは簡単に外せるようになっています。私的な意見ですが、匹見町教育委員会発行の「匹見町登山マップ」では岩倉山の所要時間は30分とある。この2点から考えれば車止めを乗り越えて車で進入してもいいのではないかとも考えます。 |
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車止め手前の駐車スペース | 車止めの鎖と進入禁止の標識 |
車止めを跨いで、アカショウマ、イワガラミ、ウツボグサ、マタタビ、ミヤマハハソ、ヤマアジサイの咲く林道を奥へと進んでいくと5分で亀井谷橋を渡り、高さが100mはありそうな断崖の下を流れる亀井谷川の左岸を上っていきます。林道は砂利道なので登山靴では歩き難いが、正面から朝の光を浴びてゆったりと進んでいくこと亀井谷橋から15分で亀井谷奥橋に着く。 亀井谷奥橋を渡って20m先の右手に亀井谷への取り付きがあります。指導標はありませんが、アサガラとマタタビの木の間にある踏み跡を辿って亀井谷へと分け入ります。谷詰めはいきなりの猛烈なササ漕ぎで始まりますが、落ち着いて足下の踏み跡を確認しながら進んでいけば楽勝です。大ササ漕ぎは最初の徒渉地点までで、後のササ漕ぎは大したことはありません。 |
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亀井谷奥橋と取り付き場所 |
以後は本流を何回も渡り返します。通算5回目の徒渉で左岸に渡り30m進むと、立ち木にやたらとテープが取り付けてあるところがあります。対岸の立ち木にもテープが付いています。自分は迂闊にもこれを見落としてしまい、そのまま進んでいきました。テープはあるものの踏み跡がだんだん薄くなり、道は斜面の方に向かって付いているように見える。「これはおかしい。きっと沢沿いに道がある筈だ」と思いながら一面コチャルメルソウの葉に覆われた沢近辺の道を探すも見つからない。やっと「もしかしたらジョシ谷への道かもしれない」と考えて後退することにしました。←ずっと後でわかったことだが、すでにジョシ谷入口は過ぎている。後退しながら対岸を透かして見ると道らしいものが見えるので渡って確認してみると明瞭な道が付いているではないか。でも念のため5回目の徒渉地点までバックしてリトライしました。そして先ほどのテープの多いところで右岸に渡り正しいコースに入る。今日はロングコースだけに、ここでの23分のロスは痛い。 | |
テープの多い所で右岸に渡る |
亀井谷奥橋 | 枝沢 | 枝沢 | |||||||||||||||||||||||||
ササ3分 | ササ2分 | ササ2分 | 3分 | 川床2分 | 5分 | 7分 | 3分 | 33曲り | |||||||||||||||||||
2分 | 6分 | 30m | 石組み | 4分 |
可愛いウリノキの咲く快適な道を歩く。そして1つ目の枝沢を渡り、流れより少し高いところを進んで行きます。やがて沢に近づいていくと石組みのある場所を通過しました。こんな深い谷の奥地にまで石積みがあるとは…今更ながら驚きます。おろらく林業全盛期の時代は多くの人が入植して植林や炭焼きがおこなわれていたのだろう。当時を偲ぶものとして石組みが残っているだけだ。 今まで飛び石を伝って渡っていましたが、最後の徒渉ヶ所だけはそうもいかない。親切な人が木の枝で簡単な橋を作ってくれている。2つ目の枝沢を渡るとスグに左に振れて斜面を登っていくようになる。これから心臓破り(大げさかな)の33曲りに入るのかと思うと身が引き締まります。 |
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石組みのあるところ |
33曲がりの名のとおり急斜面をジグザグに登っていきます。斜面にはコアジサイ、コナスビ、ツルアリドオシが咲いており心が和む。相当に登っていくと120度の方向に向けて長いトラバースが始まる。そして腰まであるササ漕ぎだ。5分間の辛抱ですが斜面のササ漕ぎは足下が不安定で気を使う。 谷を回って続いて支尾根を回り込み東側に出ると右手に木の間越しに恐羅漢が見えてきました。高い山だ!最後に50mほど背丈を越えるササを漕ぐと台所原のミズナラの木のところに出ました。 |
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腰まであるササ漕ぎ | 台所原にあるミズナラの大木 |
台所原で一息入れた後は県境尾根を辿り中ノ川山を目指します。北西方向に登る道をとり数本の倒木をクリアーすれば気持ちのよい尾根歩きが続く。前方にはこれから登る中ノ川山が木の間越しに見え隠れしている。登山道わきに咲くササユリは今が見頃で、その可憐な姿を30m間隔くらいで見ることができる。コバノフユイチゴ、ナルコユリ、ヤマボウシも今が盛りと咲き乱れています。 少し雲ってきて風が出てきたかなと思ったら間もなく中ノ川山の手前でポツリポツリと落ちてきた。幸いにも広葉樹林の中だから雨具なしに歩くことができる。中の川山は展望がないのでノンストップで通過し、鳥越峠分れで天候をうかがう。雨は小康状態なので予定どおり天杉山まで足を延ばすことにしました。 |
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ササユリのお出迎え |
鳥越峠分れ三叉路から少し下っていくと前方右手に砥石郷山が見えるところがある。今までずっと展望のないところを歩いてきたので素晴らしい眺望に満足。さらに進んでいくと天杉山の懐に入ります。ブナとミズナラの混じる素晴らしい広葉樹林だ。心行くまで堪能しました。 そして降り続いていた小雨もようやく上がったようだ。広葉樹林を抜け、平坦な杉林の中を2分くらい歩くと薄日の差す天杉山に着きました。 |
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砥石郷山が見える | 天杉山のタコブナ |
天杉山山頂は東〜南にかけて切り開かれているが、今では雑木が成長したため、深入山、砥石郷山の中腹より上の部分が見えるにすぎない。もう何年か前に登っていれば、今よりもっと視界が開けていただろうに…残念です。 さて次は岩倉山に向かうため、来た道を引き返します。天杉山を後にして5分くらいで大粒の雨が降り出してきた。こりゃ本格的だ。午前中の降水確率は0%だったのに何ということだ! |
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天杉山山頂の山名標識 | 深入山がかすんで見える |
鳥越峠分れ三叉路を右にとり、県境から西に延びる尾根を下っていきます。雨はますます激しくなってきて土砂降りに近い状態だ。やがて尾根を下りて谷に入り急降下していくと、鳥越峠分れから35分で亀井谷林道に降り立ちました。林道を右にとり100mほど登っていくと亀井谷林道終点の鳥越峠です。峠は広くなっており片隅にトタン小屋が建っています。今日のような雨降りの日は小屋があることが有難い。薄暗いトタン小屋の中で淋しい昼食をとりました。食事をとっている間に雨は上がったようだ。先ほどまでは岩倉山行きは諦めていたのだが、登れそうな天気になりつつある。 | ||
県境尾根の鳥越峠分れ三叉路 | 亀井谷林道の天杉山登山口 |
鳥越峠からの岩倉山取り付きにはテープが何ヶ所も付けられているので直ぐに判ります。ただ岩倉山登山道のササが刈り取られて久しいので取り付き付近はササが被っており、突入にはある程度の覚悟が必要だろう。でも踏み込んでみれば明瞭な道が延びているので心配することはない。ヒノキが植林されて間もない急坂を喘ぐこと5分で肩に着く。 肩からはヤマツツジの咲く灌木帯が山頂まで続きます。北〜東にかけては大展望が広がるが、南の広見山方面は雲がかかり山容が掴めない。西方面は岩倉山自身に隠れて展望がないが、高度を上げていくと春日山の尖がり頭が姿を現してきました。そして終点行き止まりが展望のない岩倉山です。 |
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展望のない岩倉山山頂 |
岩倉山東側尾根からの北〜東方面の展望。雨が上がった直後なので澄んでいるが遠くまでは見通せない。 |
展望のない岩倉山を後にし、下るときに山並みをスケッチする。そして鳥越峠まで下りて、右手に岩倉山を見ながら亀井谷林道を下っていきます。鳥越峠から1つ目の折り返しまで25分、2つ目の折り返しまで40分と、辛い林道歩きが続きます。2つ目の折り返しの手前で西に春日山がきれいに見える地点がありました。駐車地点に戻ってきたのは鳥越峠から実に65分後と歩くには少し距離があるようです。 亀井谷林道終点の鳥越峠まで車で上がれますが、今の時期は林道上に夏草が多い茂っているので、車でなら春先か秋本番を迎えてからの方がよいでしょう。今日は誰にも会わず熊にも会わず、西中国山地の奥深く静かな山行を楽しむことができました。 |
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亀井谷林道から春日山を望む |