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山 名 |
高井山(1097m) | 島根県益田市匹見町 |
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登山日 | 2009年4月29日(祝) 快晴 |
大神ヶ岳から望む高井山
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参加者 | 単独 | |
コース | 登り:林道登山口(8時40分)〜ワサビ田跡(8:55)〜休憩5分〜大滝(9:15)〜休憩5分〜二股(9:40)〜休憩5分〜最後の滝上部(10:10)〜稜線(10:30)〜(10:35)高井山 下り:高井山(11:05)〜809m峰手前分岐(11:35)〜(12:00)林道登山口 |
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お弁当 | 高井山山頂で寂地山系を眺めながら軽く食べました。 | |
駐車場 | 林道登山口付近の膨らんだところ(5台くらい停められます) | |
トイレ | 登山口付近にはありません。 | |
まとめ | 昨年ヒロコウ谷を歩いたときの林道下りで正面に見える山が高井山だと判った。それ以来、高井山に登ってヒロコウの深い谷を眺めてみたいと思っていた。ネットで情報を検索すると、適期は残雪が消えてから新緑が芽吹くまでの短い期間のようだ。4月後半になってようやく登頂の機会が巡ってきました。 |
中国自動車道を吉和ICで下りる。今日は吉和冠山がくっきりと見え、今の時期にしては視界が良いので山頂からの展望を楽しみにして、大向長者原林道〜三坂八郎林道と走り、峠のトンネルを潜って匹見に入り、大神山の登山口を過ごし、三坂八郎林道を三葛方面に向けて下っていく。国道488号線が狭いがゆえに、最近はこのコースが定番になってしまった。
登山口は林道がヘアピンカーブしているところで、山側にガードレールがある地点です。ヘアピンカーブは数多くあれど、山側にガードレールがあるのはここだけだと思う。登山口に着くと既に2台の車が停まっていて、単独行の年配の男性が登山支度中だ。超マイナーな山だから、てっきり貸し切りと思っていたんだが…意外や意外だ。 登山支度をして沢の右岸側から谷に入り、20m進んだところで沢を左岸に渡ります。大雨の後だと渡渉が難しいだろう。このルートは渡渉を何回も繰り返しながらコウイ谷を詰めていくようになるので、雨後は控えた方がいいだろう。 |
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三坂八郎林道の登山口 |
左岸に渡ると、斜面に付いた踏み跡を辿り徐々に高度を上げていく。スタートしてから5分で幹の周りが赤ペンキが塗りたくってある古木に出合う。地籍調査用のものなのか? やがて左手に最初の滝が見えてきた。この滝は左岸を高巻いて滝の上に出る。暫くして右岸に渡り、ワサビ田跡までは右岸沿いの明瞭な踏み跡を進んでいきます。 |
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幹の周りに赤ペンキの帯 | 最初の滝(左岸を高巻く) |
登山口から15分でワサビ田跡があった。ワサビ田は二股の枝沢の方に広がっていた模様で、今でも残っている石積みが、わずかに往時の面影を留めている。ここでは枝沢(ワサビ田の石積みのところ)を渡って本流の右岸を進んでいきます。 ニリンソウがチラホラ現れはじめた。今年初めてのニリンソウだ。あちこちに群落を作っているので写真を撮るのに忙しく、なかなか足が前に進まない。他にはエンレイソウやワサビの花が見られた。ワサビ田があったのだからワサビの花が咲いているのは当たり前か! |
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ワサビ田跡に見られる石積み |
左岸に渡り暫くすると左手に小滝を見る。小滝の上で険阻な箇所があるので、右岸側にかわしてスグに戻ってくる。左岸を進んでいくと核心部にあたる大滝が見えてきた。ここは二股になっていて、右股が本流だ。 大滝の手前で右岸に渡り、次いで左股の枝沢を渡って正面の中尾根の斜面に取りつく。ここはロープがあるので助かります。背の低い木もたくさんあるので、手掛かりには困らなく、すんなりと滝の上部まで登っていくことができました。 |
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左手に小さな滝を見る | 大滝は中尾根のロープ場を登る |
大滝の上に出てからは踏み跡は見当たらなくなった。それだけ険しいというです。但し、要所には赤テープのマーカーが付いているので、マーカーを辿っていけば良い。コウイ谷はようやく芽吹きの時期を迎え、周囲の木々の葉が萌黄色に染まりつつある。いい季節だ!しかしブヨみたいな小さい虫が多いのには参った。油断をしていると耳や鼻の中に入ってくる。挙句の果ては口の中まで。何ヵ所が血を吸われてしまい、2〜3日は痒くてたまらなかった。 右写真の右に谷が派生するところで、左岸に渡り、小滝の手前で右岸に渡り返して、進んでいくと二股に出合う。ここも先ほどの大滝と同じような地形で、右股が本流です。左股の枝沢を渡って正面の斜面に取りつくものの、土質は脆く登るのに苦労する。 |
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大滝の上に出たところ |
前述の二股からは、道はさらに荒れてくる。もちろん踏み跡といったようなものはなくて、等間隔に付いているテープを追って、倒木を跨いだり、岩の間を縫ったり、登ったりしながら、ひたすら上の方を目指して登っていきます。沢沿いには、エンレイソウ、コチャルメルソウ、チャルメルソウ、ツクバネソウ、ナツトウダイ、ニリンソウ、ネコノメソウ、ヒトリシズカ、ヤマウツボ、ヤマシャクヤク(葉っぱのみ)、ワチガイソウが咲き、たびたび足が止まります。 ようやく最後の滝が見えてきた。最後の滝はナメラのような感じで、滝の近くを登っていくのは危なっかしそうなので、左手から大きく回り込んで、ヤブ漕ぎをして滝の上に出ました。 |
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最後の滝が見えてきた |
大群落を形成しているニリンソウ | ひっそりと咲くヒトリシズカ | たった一輪のみのワチガイソウ | 開花準備中のルイヨウボタン |
最後の滝をクリアーすると、そこから先は今まで登ってきた道に比べてはるかに緩やかで歩き易い道になる。水量も極端に少なくなり沢沿いに詰めていきます。辺りはニリンソウのお花畑で、最初のうちはニリンソウを避けて歩いていたが、それもままならなくなってきた。ニリンソウを踏まなければ先へ行けないのだ。他には開花準備中のルイヨウボタンが多い。 右手のブナ林に入るとショートカットできそうだが、テープが沢に沿って付いているので、テープに従って進む。沢が切れるとササが待ち受けている。稜線は目の前だ。 |
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稜線手前のササ原 |
稜線に出て、右折してササ床の尾根道を登っていくと高井山に着く。山頂には広島山稜会の人たち、それに自分より少し先行していた単独行の年配男性が到着している。山頂の少し手前からは、大神ヶ岳〜千両山〜坊主山〜広高山〜後冠山〜寂地山が見え、正面には深いヒロコウ谷が切れ落ちている。これが見たくて登ったんだ!ただ、山の中腹をヒロコウ谷の奥に向けて走る林道は、ヒロコウ谷に刻まれた醜い傷痕のようで、見ていて辛く悲しいものがある。 高井山は三角点の周囲だけササが刈られている。少し西に下ると、ガクガク尾根の向こうに右谷山が見え、右に目を移すと小五郎山や白旗山が見える。安蔵寺山は樹木が邪魔をしているので山容が判る程度でした。 |
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稜線に出る(手前が山頂) |
高井山からヒロコウ谷を俯瞰する(林道が左谷の中腹を走りヒロコウ谷の奥の方に延びているのが判る) |
高井山から北方面の眺め(稜線の上に大神の懸崖が覗く) | 高井山から南西方面の眺め(こちらは逆光のため霞んで見える) |
誰しも、登ってきたコウイ谷を下りに使いたくないと思うだろう。コウイ谷は険しく、あの急斜面を降りたくはない。自分もそう思った。だから尾根を下ることにして、山頂から真西に延びる尾根を目指してササの中に突っ込む。スグに北西に派生する尾根があり、その方向に付けられていたピンクのテープに騙されて時間をロスする。 登るときに見かけた赤ペンキの帯が、この尾根にもある。一体何なんだろう?お陰でルートを見つけるのに苦労することはないが、何か釈然としないものを感じてしまう。900m台まで下ってくると、右手に木の間越しに立岩(赤谷山の懸崖)が見えた。もうじきすると新緑が濃くなり見えなくなってしまうだろう。 |
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立岩(赤谷山手前の懸崖) |
尾根道のササは高くても腰までで密度も薄く難儀をすることはない。809m分岐でどちらの尾根を下りるか思案する。マーカーは809m峰の方に付いているが、地形図では左尾根の方が楽そうなので、左尾根に下る。右手の谷は伐採地なので、暫く下っていくと、809m峰付近の地形や赤谷山の稜線がきれいに見えてきた。 さらに下っていくと、おやおや、山頂で出合った広島山稜会のパーティ(N川さん他)が食事中だ。尾根道にはイワカガミが咲き花を楽しみながら下る。林道が近くなると灌木がうるさくなったので、谷に逃げる。下山地点は登山口から150m下ったところだった。林道を歩いて登山口まで戻る。 |
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赤ペンキの帯(930m台ベロ尾根) |