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山 名
吉和冠山(1339m)
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広島県廿日市市吉和
登山日 2024年5月5日(祝) 晴れのち曇り
東麓より望む吉和冠山
参加者 単独
コース 中津谷(7時25分)〜出合橋(8:20)〜(8:30)廃屋(8:35)〜奥出合橋(9:00)〜毛部田橋(9:30)〜(10:00)小川林道終点(10:05)〜源流の碑標識(10:45)〜(11:05)吉和冠山(11:10)〜分岐広場(11:45)〜昼食10分〜オオタキ(12:30)〜(13:05)登山口(13:10)〜潮原温泉(13:30)〜(13:50)中津谷
お弁当 下山中にクルソン谷で食べる(冠山山頂は風が強くてお昼どろではなかった)
駐車場 中津谷の国道488号線の路肩が膨らんだところ(5台くらい停められます)
トイレ 中津谷の国道488号入口の公衆トイレ(水洗です) 潮原温泉前の公衆トイレ(水洗です)
まとめ シラグチ谷側から吉和冠山に登ったことがないので小川林道を利用して反時計回りに周回する計画を立てた。大型連休も後半に差し掛かりカタクリの花は見納めかなと思っていたが残念ながら花は完全に終わっていた。でも春の草花を鑑賞しながらの渓流沿い歩きは工程は長かったものの厭きるようなことはなく存分に楽しめました。

【中津谷】 国道191号線を走り戸河内から吉和に抜け国道488号線の吉和側入口をほんの少し入ったところの路肩に駐車する。登山支度をして出発する。用水路沿いには湿気を好む春の花が咲いている。15分で不栗付橋を渡り中津谷川の左岸を上っていく。薄紫色のフジの花が山裾を、ピンクのキシツツジが川岸を彩っている。国道488号線は県境から向こうが長い間通行止めとなっているので交通量は極端に少なく、この日は軽トラが1台上がっていっただけだった。

出発地点(国道488吉和側入口) 不栗付橋 酷道488号線 小川川とオモ川の合流地点

【小川林道(小川谷)】 約1時間で出合橋を渡り小川林道に入る。すぐに2号橋があり橋を右岸に渡ったところから魚切林道が伸びているが林道は通行止めとなっていた。まだ工事中なのか?やがて舗装が終わり土道に変わった。株立ちカツラの大きな木があった。中津谷でも見かけたがこの辺りにはカツラの木が多いね。出会橋から40分で「鳥獣保護区」の茶色の看板の立つ奥出合橋に着いた。シナノキ谷に草ボーボーの林道が延びている。

出合橋 2号橋 株立ちカツラ 奥出合橋

【小川林道(シラグチ谷)】 奥出合橋を渡りシラグチ谷に入ると小滝が見られるようになってきた。右に堰堤を過ごすと間もなく相次いで馬立橋、毛部田橋を渡る。やがて高巻き道となり沢から離れたところを歩くようになる。標高を上げていくと開けたところがあり左手に冠山の山頂部が望める。 林道にはオオカメノキの花が落ちている。出合橋から100分でやっと小川林道終点に着いた。気候が良く花も多いので長い林道歩きも苦にはならない。

連続する小滝 新緑の小川林道 展望地より望む吉和冠山 小川林道終点

【ホン谷】 冠山登山道の標柱のところから原生林へと入っていく。踏み跡は明瞭とは言えないが山慣れしている人なら問題はない。急斜面には階段が敷設されているが今では朽ちかけている。林道終点から8分で広高山分岐がある。ここは案内プレートに従って、二本並んだ杉の木の間を左折して横木の階段を下ると直ぐに沢に行き当たり右岸に渡渉する。その後は沢沿いに付けられた踏み跡とテープを辿って遡上していく。やがて水の流れが認められなくなり原生林の中を南下していくと、松の木峠からの登山道に出た。

広高山分岐は左へ 沢沿いの道 原生林の中を進む 小川林道分岐

【吉和冠山〜クルソン谷】 スギ林を抜けると吉和冠山に着いた。お目当てのカタクリは完全に終わっていて蕾を付けていた。北の懸崖の上に立つと目の前に西中国山地の山並みが展開されるが生憎空気が湿っているので眺めは良くない。目の前にオオカメノキが花をつけていた。標高の高いところはまだ残っているんだ!寒いのでお昼は諦めて汐谷に向けて下山する。

分岐広場まで下ったところで思案したがクルソン岩はパスすることにした。下山中に4組の登山者に出会った。皆さんカタクリの花が目当てなんだろうか。今年の春はサクラは遅かったが、それ以降は暖かい日が続いたので開花は速まってきているようだ。
吉和冠山山頂 分岐広場

【汐谷】 クルソン谷を下っていくと未開通の魚切林道に飛び出した。林道を横断すると下の方に沢に架かる木橋が見える。ちょうど大タキのところだ。木橋と桟橋を渡るとスギ林が続く。鉄の橋を渡り林道を下っていくと「冠山登山道案内板」があった。車道を下り水仙コースを歩いてスタート地点に戻る。

魚切林道を横断する 大タキ(懸崖) 鉄の橋と駐車スペース 登山道案内板

今の時期は見られる花が多く草花を鑑賞しながら歩くのはとっても楽しみだ。特段珍しい花はないが何度会っても癒されるのが春の花なのかな。きりがないので掲載しなかったのは、カキドオシウワバミソウシャガシャクボタンネコノメソウエンレイソウチャルメルソウコチャルメルソウ、スミレ各種、ミヤマガマズミコバノガマズミオオカメノキなど。

【吉和の里に咲く花
用水路のそばにヒメレンゲが地面を覆うようにランナーを伸ばしている。ラショウモンカズラはかなり広範囲に咲いていた。タネツケバナは数種類あり実際の名は特定できないが標高の高いところに見られるタネツケバナだ。
ヒメレンゲ(ベンケイソウ科) ラショウモンカズラ(シソ科) タネツケバナ(アブラナ科) ミズタビラコ(ムラサキ科)
【中津谷に咲く花】 草本
紫色と黄色のケマンソウが揃って花をつけている。黄色のケマンソウは小川林道の奥部まで点々と咲いていたのでミヤマキケマンだろう。他にはシャガ、シャク、ウワバミソウ、カキドオシなどの花が見られた。
コケイラン(ラン科) ムラサキケマン(ケシ科) ミヤマキケマン(ケシ科) クルマムグラ(アカネ科)
【中津谷に咲く花】 木本
ウツギと名の付く花のうち、ミツバウツギとコガクウツギは他に先駆けて咲き始めた。ミツバウツギは広範囲に見られた。オトコヨウゾメとミヤマガマズミが揃って咲いていた。オトコヨウゾメもあちらこちらで咲いていた。
ミツバウツギ(ミツバウツギ科) オトコヨウゾメ(レンプクソウ科) コガクウツギ(アジサイ科) ツリバナ(ニシキギ科)
【小川谷に咲く花】
アオダモは川岸に咲いていたのでズームで引き寄せる。イチリンソウは個体数は多くはないがあちこちに咲いている。小川林道では、タネツケバナ、ミヤマキケマン、ラションモンカズラの花が多い。ヤグルマソウはこれから。
アオダモ(モクセイ科) ボタンネコノメ草(ユキノシタ科) イチリンソウ(キンポウゲ科) ツルカノコソウ(スイカズラ科)
【シラグチ谷に咲く花】
シラクチ谷に入ると可愛らしいタチカメバソウが目立ってくる。ウワミズザクラはコクサギ型葉序列という変則的な葉の付き方をしている。注意して観察すると判る!ホン谷に入るとバイケイソウの葉が多くなる。
タチカメバソウ(ムラサキ科) サワハコベ(ナデシコ科) ウワミズザクラ(バラ科) エンレイソウ(シュロソウ科)
【クルソン谷・汐谷に咲く花】
山頂部にはオオカメノキの花が残っていた。ニシノヤマタイミンガサの葉が多い。タチカメバソウ、チゴユリ、ユキザサの花が多く見られる。里が近くなるとニリンソウが見られるようになってきた。
ユキザサ(キジカクシ科) チゴユリ(イヌサフラン科) ホウチャクソウ(イヌサフラン科) ニリンソウ(キンポウゲ科)