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山 名
青路頭(989m)
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島根県益田市匹見
登山日 2020年4月29日(祝) 快晴
春日山より望む青路頭
参加者 単独
コース 駐車地(7時25分)〜取り付き(7:35)〜大虫谷小虫谷出合(8:05)〜コズガ谷出合(8:25)〜最奥ワサビ田跡(9:00)〜植林地を抜ける(9:25)〜主稜線(10:10)〜(10:40)青路頭(10:55)〜(11:05)降下地点コブ(11:15)〜イデ谷(12:05)〜(12:20)株立ち巨木(12:25)〜コズガ谷出合(12:35)〜取り付き(13:20)〜(13:35)駐車地
お弁当 降下地点コブで行動食を食べる(お昼に適したところはありません)
駐車場 表匹見峡トンネル南側出口から旧道に入ったところ(路側帯に5台くらい停められます)
トイレ 登山口付近にはありません(出会原にある道の駅「匹見峡」が最終になります)
まとめ ブログ「ヤブ山日記」管理人のNさんが昨年亡くなった。前身の「ヤブ山突撃隊」という名のサイトでは中国地方の数多くのヤブ山の詳細な突撃情報を提供されてきた。青路頭の頁は「途中の植林地を除けば、不思議な雰囲気を持った渓谷と虫ヶ谷集落跡、そして最後の山頂一帯は素晴らしい所だ。秋か春先に是非どうぞ!」 で締めくくられている。今回はNさんが何度も通った虫ヶ谷集落を訪ね、その背後にそびえるNさん推奨の名山「青路頭」という名のヤブ山に登ってみることにした。

中国自動車道を戸河内ICで降りて国道191号線を走り北広島町八幡から島根県に入り快走路を下っていく。道の駅「匹見峡」でトイレ休憩をして県道に入り表匹見峡トンネルを出たところの路側帯に駐車する。登山支度をして出発する。旧道を歩き匹見川に架かる魚飛橋を左岸に渡った先に虫ヶ谷に入る古道の取り付きがある。取り付きには、「岩節渓流取水口(12号暗渠)」の黄色い標柱が立っているのですぐ判る。もうひとつの目印が山の方に上がっている配電線だ。配電線の保守道を上がっていき2つ目の電柱のところで保守道と別れて、左に直角に曲り古道に入る。すぐに高巻き道となり勢いよく水が流れている音が下の方から聞こえてくる。取り付きから20分で流されてかろうじて残っている残骸橋を落ちないようにバランスを取って右岸に渡る。

取り付き付近の景色 岩節渓流取水口の黄色い標柱 歩き易い高巻き道 最初の渡渉(右岸に渡る)

スギ林の中に比較的明瞭な道が続く。スギ林を抜けると大虫谷に架かる木橋を渡り、小虫谷を遡っていくと対岸に石積みが見える。ここが虫ヶ谷集落(今では廃村)の始まりのようだ。苔むしてかなり朽ちている木橋を恐る恐る渡るとスギの木に赤テープが巻き付けてあった。青路頭へ登頂するときの尾根径の取り付きを示すテープだと思われるが? その先からササ原が始まり、腰〜胸くらいの高さのササの下にある踏み跡を探して進んでいく。コズガ谷出合いまで進むと目の前の高いところにに石積みが見えた。

大きな岩が点在する スギ林の中を進む 大虫谷に架かる橋 再びスギ林(スギはまばら)
対岸(左岸)に石積み 木橋をそろ〜りと渡る テープの先でササ原が始まる コズガ谷出合(クリックで拡大)

コズギ谷出合いで向こう側には渡らないで右岸に続く薄い踏み跡を辿っていく。行き詰ると左岸に渡り少しだけ植林地を歩く。だが歩き易い植林地はすぐに終わってしまい、それからは沢沿いのワサビ田の古い手入れ径?のようなところを歩いた。谷が分れるところで左谷に入り左谷から中尾根に乗る予定だったが、うっかり右谷に入ってしまったので右谷の最奥ワサビ田跡付近で右岸に渡り、その先に見える急斜面の中尾根に取り付いた。

コズガ谷の右岸側を歩く 少しだけ植林地を歩く 最奥のワサビ田跡 中尾根を這い上がる

まばらに樹木が生える中尾根の急斜面を這い上がり尾根に乗ると、リョウブの幹に古いテープが残っていた。南に青路頭付近の稜線が見えるが青路頭は特定できなかった。下生えの少ない尾根を5分ばっかし登るとスギの植林地に入る。林床を占めるのはクロモジで他にはヒサカキとコバノガマズミか。植林の手入径を歩き左に振れると植林を抜け広葉樹林に変わった。ここにもリョウブの幹に古いテープが巻き付けてあった。そして青路頭がやっと見えてきた。

尾根に乗った地点 尾根の状況 植林の手入径を歩く 植林地から広葉樹林へ

主稜線に至る尾根には薄い踏み跡がある。こんなところを歩く人が少なからず居るということだ。振り返ると北には春日山の端正な山容が見える。そして左手東側に半四郎山付近の稜線を近くに見ながらヤブの尾根を進んでいく。枝尾根から主稜線に乗っても薄い踏み跡は続いている。主稜線を西へと進んでいくと、今度は五里山から西の稜線が望めるようになってきた。

尾根道(標高780m付近) 北に端正な春日山 東に半四郎山の稜線 主稜線に乗り青路頭方面へ

980m台コブまで進むと青路頭のピークが近くなり、最後に一登りすると三角点の鎮座する青路頭に着いた。ヨウラクツツジが開花準備中だ。木の間越しではあるが南に見える五里山〜御境〜小郷山の稜線が素晴らしい。御境の真後ろに吉和冠山が顔を出している。展望の良いところを求めて西に歩いてみたが良いところは見つからなかった。山頂まで4時間を予定していたが稜線に踏み跡があったので意外に早く着いた。お昼は来た道を戻って降下予定のコブで食べた。

980m台コブより望む青路頭 青路頭山頂と三角点 青路頭から御境方面の眺め(大神ヶ岳付近は松の木が邪魔をする)

青路頭西隣の980m台コブからコンパスで方向をセットして南斜面のササ薮に突っ込む。比高で30mくらい下ると尾根地形となり数ヵ所にテープがあった。正面にヒノキ林が見えてきて植林と広葉樹林の界を下っていく。このまま界を下っていくと急斜面が待ち構えているので、植林地にかわして赤い境界杭沿いの作業道を下っていく。そしてイデ谷の手前で反転して運よく見つかった古い杣道(今は歩かれていないよう)を辿っていくと株立ち巨木(樹高は30mくらいある。葉が出ていないので樹種は不明)のところに戻ってきた。コズガ谷出合いまで左岸の石垣跡に沿って下っていったが、とんでもない倒木のジャングル地帯だった。そこからは登ってきた道を下る。

植林と広葉樹林の界を下る ヒノキ林を下る 4本の株立ち巨木(向こうはコズガ谷) 倒木のジャングル

里山のコバノミツバツツジは終わってしまったが匹見の清流沿いではキシツツジが見頃だ。渓谷美やツツジを鑑賞しながら表匹見峡を散策・ドライブするのも良いだろう。
キシツツジ(魚飛橋) イチリンソウ(高巻き道) ネコノメソウ(渓流沿い) ワサビ(コズガ谷) オオカメノキ(主稜線)