HOME 戻る
山 名
扇ノ山(1309m) 鳥取県八頭町
登山日 2019年11月23日(祝) 快晴
風の広場展望台より望む扇ノ山
参加者 夫婦
コース 姫路公園コース登山口(10時55分)〜(11:40)檜蔵(11:50)〜(12:15)扇ノ山(13:10)〜ベンチ(13:30)〜丸太で組んだ橋(13:55)〜ふるさとの森登山口(14:05)〜ふるさとの森分岐(14:10)〜(15:05)風の広場展望台(15:10)〜(15:30)姫路公園コース登山口 所要時間4時間35分
お弁当 扇ノ山山頂避難小屋で食べる
駐車場 姫路公園コース駐車場(十数台停められます)
トイレ 安徳の里・姫路公園(水洗です)
まとめ 鳥取市内に住む娘宅に訪問ついでの山行きだ。山に登ってカロリーを消費して娘宅にお邪魔して娘婿と飲んで消費した分以上のカロリーを補給する。このパターンは毎回変わらない。今回は11月下旬にしては珍しく穏やかな天気で最高気温は20度Cくらいまで上昇して絶好の山日和となった。

広島市内の自宅を午前5時半頃に出て国道54号線を三次に向けて走る。早朝の国道は空いていてスイスイ走れるが八千代町に入ると霧が出てきてスピードは出せない。それでも自宅から三次ICまで1時間足らずで走り抜けることができた。もしかしたら高速を使ったより速かったかもしれない。いつもの七塚原SAで朝食休憩をとり津山ICで高速を降りる。


でっかい那岐山を左に見ながら国道53号線を走り県境を越えて鳥取県に入る。国道482号線、29号線と乗り継いで八頭町富枝で 「←ふる里の森 ←扇ノ山登山口」 の案内に従って左折して県道37号に入る。そして、ふるさとの森の方には行かずに山越えして安徳の里・姫路公園を目指す。

安徳の里・姫路公園でトイレを済ませて登山口を目指す。道は狭くはないんだが落ち葉が堆積していてどこまでが路面か判らなくなっているところが殆どだ。幸いにも行きも帰りも離合するようなことはなかったので心配は無用だった。標高が上がり、国府方面分岐を過ぎると間もなく駐車場に着いた。登山支度をして出発する。
姫路公園コース駐車場

駐車場から歩いて1分くらいのところに姫路公園コース登山口がある。登山口には数本の杖がおいてあり、山頂に至る道が急登であることが読み取れる。その中のネマガリダケの杖を借用して、これを今日1日のお伴にする。

登山口を入ると沢沿いの道が続き木橋を渡って何回も渡渉する。橋が架けられていないところや滑りそうなところがあるので注意!
姫路公園コース登山口 最初は沢沿いの道

中尾根を登り切ったところが1合目でスギ林の中を抜けると沢に出会い左岸に渡渉する(左の画像)。さらに右岸、左岸と渡り、そこから右手の斜面に付けられた横木の階段を上がっていくと2合目だ。ここまでは変化に富んだ登山道だった。

登山道わきにはイワカガミの葉が絶え間なく見られる。そんなに多くはないがイワナシの葉もあったので、春先〜初夏に歩くと花が楽しめるだろう。
まだ続く沢沿いの道 横木の階段道の始まり

3合目〜5合目まで続くスギ林を抜けると植生は木の葉を落とした広葉樹林に変わり見通しが良くなり、振り返ると氷ノ山が遠くに見える。中国自然歩道の標識を過ぎると6合目の標識があり、そこから右手に檜蔵(ひのきやぐら)と呼ばれる大岩があり絶好の展望台となっている。

檜蔵からは山頂付近や下山予定の稜線が近くに見える。もちろん名峰氷ノ山も望める。氷ノ山以外は残念ながら山名が判らない。
中国自然歩道の標識 檜蔵から山頂方面を望む

6合目から心持ち下ると天まで続くかと思われるような横木の階段道が始まる。登るにつれてネマガリダケが目立つようになってきた。そして扇ノ山を代表するブナも存在感を増してきた。

8合目からは傾斜が緩んで楽になった。おやおや道に雪が残っている。やはり鳥取は雪国なんだ!マイペースで登っていくと山頂の避難小屋が見えてきた。
延々と続く横木の階段道 山頂まで300m標識

山頂には数組の登山者がいて山談義に花が咲く。河合谷から登ってきた人から 「山頂から10分くらい下ったところに鳥取市街が見える展望地がある」 と教えてもらったが、また登る機会があるだろうから次回に回すことにして、展望の良い避難小屋の2階でお昼にする。

お昼を済ませベンチのとろに戻ると別の登山者がいたので話し込む。自分たちが通ってきた安徳の里は 「壇ノ浦の戦いで敗れた平家と共に わずか8歳で入水自殺をして果てた安徳天皇は、実は密かに逃げ延びて姫路の地に隠れ住んだんです。このような地姫路の他に〇〇、〇〇と鳥取県に3ヵ所あるんです」 とのことでした。鳥取県のハイカーは歴史好き話好きの人が多いなと感じたのは、今回の件のみならず前年の久松山でも同じようなことがあったから。
扇ノ山山頂(バックは氷ノ山)

避難小屋の2階からは東〜南〜西の180度が見渡せる。東側の兵庫県は盆地の地形。地理も山もさっぱりわからないので写真は掲載しない。大山は肉眼でははっきりと認めたが画像ではぼんやりと写っているだけだ。岡山県境の那岐山付近は立木が邪魔をする。鳥取市街地はここからは見えない。
氷の山(山頂の避難小屋が短い煙突のように見えるが画像でははっきりしない) 大山(目を凝らせば見える)

帰りはふるさとの森登山口に下りてから林道を1時間歩いて姫路公園コース駐車場に戻る。こちらのコースも最初はネマガリダケのトンネルの中に横木の階段が続く。

1194mピークを過ぎると灌木体に変わる。ネマガリザサの勢いが弱まって見晴らしがよくなりルンルン気分の稜線漫歩といった感じだ。正面には氷の山、そして南西には岡山県境の那岐連山が連なっている。
ネマガリダケのトンネル 岡山県境の那岐連山

暫く進んでいくとブナ森の案内板と傾いたベンチがあった。展望の良いのはここまで。右に振れてスギ林の中を下っていく。登山道はジグザグに付けられているので急な下りもそんなには苦にはならない。

下りが終わったところに国定公園の案内板が設置されていた。整備が行き届いていると思ったが、この山は 「氷ノ山後山那岐山国定公園」 に含まれているんだ。平坦に近い道を下っていくとようやく車道が見えてきた。
案内板とベンチ 下りきったところ

扇ノ山山頂から1時間弱で、ふるさとの森登山口に下りた。右折して下っていく。林道は未舗装だが直ぐに舗装路に変わる。ふるさとの森分岐では 「風の広場展望台」 の案内に従って右折して左手に氷の山を見ながらジワジワと登っていく。

付近には黄葉したヤマナラシやヤナギ(種類は不明)が多数見られ、西中国山地との植生の違いを感じる。見晴らしのよいところで振り返ると扇ノ山や下ってきた稜線が近くに見えるので感慨ひとしおだ。
ふるさとの森登山口 ふるさとの森分岐

1012mピーク付近まで進むと立木の間から扇ノ山が見えてきた。ヘアピンカーブのこんもりとしたところに建つ「風の広場展望台」に上がると、目の前に扇ノ山の山容がはっきりと見える(冒頭の画像)ようになる。山頂付近の落葉した木々、中腹の植林地の濃い緑と黄葉の黄色に色分けされた斜面がきれいだ。そして登りに使った姫路公園コースや下りに使った稜線が手に取るように判り、今日1日の工程を辿り振り返ってみた。

北西には久松山(きゅうしょうざん)の向こうに鳥取市街地が広がっていて、遥か彼方に大山がぼんやりと見える。展望台から車道を一気に下っていくと姫路公園コース登山口に戻ってきた。
風の広場展望台