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山 名
白木山(889m) 押手山(706m)
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広島市安佐北区
登山日 2016年3月5日(土) 晴れ
三入より望む早朝の白木稜線
参加者 単独
コース 白木分れバス停(6時50分)〜林道右カーブ地点(7:10)〜廃林道終点(7:20)〜谷を登る〜(8:00)林道に出る(8:05)〜北東尾根稜線(8:20)〜土管の灰皿のある三差路(8:40)〜(8:50)白木山(8:55)〜ケルン(9:05)〜743m峰(9:30)〜高谷分れ鞍部(9:50)〜(10:05)押手山(10:10)〜林道横断(10:30)〜谷に降りる(10:45)〜(11:05)白木分れバス停
お弁当 午前中登山のためありません
駐車場 白木分れバス停付近の道路の膨らんだところ(2台くらい停められます。他にもあり)
トイレ 登山口付近にはありません
まとめ 前回に引き続き 「あさきた里山マスターズ」 対象の山を選ぶ。押手山だけだと高屋または桧山から簡単に登られてしまうので、せっかくだから久し振りに白木山にも足を運ぶことにした。10年くらい前に押手山には何度も登っているので押手山からの下りについては何らの下調べをせずに臨んだのがまずくて、下る尾根を1本間違えてしまった。なめちゃあいけんよね。

午後から所用があるので早起きして午前6時に自宅を出て国道183号線を可部方面に向けて走る。太田川橋を渡り可部バイパスに入ると右手に白木山が顔を出す。南原トンネルを抜けた付近で朝焼けの稜線(トップの画像)が見えてきた。今日は気温が上るとの予報なので少し霞んで見えるのは気の所為か?大林から桧山に向かう道に入り高度を上げていき桧山集落に入り、白木分れバス停の先の三差路付近の路肩が膨らんだところに駐車する。


車道を奥の方に歩いていくと牛舎から漂ってくる牛糞の匂いが…確かに臭い匂いだが小さい頃に家でホルスタインを飼っていたのでどちらかというと懐かしい匂いだ!でも牛糞よりは道ばたに咲いている梅の花の香りの方が断然良い。

墓所のところで舗装が切れてダート道に変わる。周辺はスギの植林帯だ。スギの木の上に稜線が走っている。白木山から上三田方面に派生する稜線かと思ったが、今から歩く稜線のような気がする。
牛舎の横を進んでいく スギ林が広がる

白いガードレールの付いた橋を渡ると間もなく林道は直角に右カーブして谷に入っていく。だがカーブ地点の沢に架けられていた橋は10年前は健在だったが、いつの間にか崩落してしまっていて事実上は右カーブの手前が林道終点になっている。

ここから西へと谷を詰めていけば多少のヤブ漕ぎを覚悟のうえ押手山南側の高谷分れ鞍部に上ることができる。今日は南に延びる廃林道に入る。永らく車が入ったような形跡はないが路面がしっかりしているので成長したスギの搬出時にはおそらく復活するだろう。
林道右カーブ地点から廃林道へ 廃林道を詰める

拳大の石のゴロゴロした廃林道は沢が右に振れた先の谷が合わさるところで終わっていたが植林の手入れ径と思われる踏み跡が左谷の方に上がっているのでそれを追って、右岸を登っていくと炭焼き釜跡があった。

地形図の標高570m付近の谷が分れているところで左谷に入るとゴーロの沢床を歩くようになり、マーカーも見られなくなった。標高600mくらいから谷が広くなりどこでも歩けそうだ。谷の右斜面に入りたいが伐採されたスギの幹や枝が進路を遮るので止むなく左にかわして急斜面の谷をよじ登っていく。
廃林道終点(標高500m) ところどころにマーカー

やがて上の方に林道が見えてきて、索道取り付け?のために直線的に伐採されたエリアに沿って登っていくと林道に飛び出した。林道を奥の方に歩いていくと、伐採した材をトラックに積み込む作業をしていた人がいたので話を聞くと、この林道は昨年延伸されたとのことだった。

「林道を下っていけば白木山に登れるよ」 とも言われたが、それだと遠回りになるので林道を奥へと進んでいき「市川生産森林組合の管理地」の看板の少しにあったマーカーのところから山へと入っていく。
林道に飛び出す 看板の先から山に入る

広い谷をトラバースして稜線に出たいところだが泥濘んだ林道が邪魔をして抜けられそうもないので、大林愛山会の赤いプラスチック杭を追って斜面を登っていき最後に心持ち右に振れると尾根に出た。出たところにはマーカーがあったが偶然の一致だろう。

尾根には広い踏み跡があり俄然歩き易くなった道を白木山に向けて進んでいく。右手には立木の間から林道が上ってきているのが見える。相当上の方まで延ばしているようだ。樹木の幹にどこかの国旗のような赤・黄・白テープが巻かれたド派手なマーカー(予定ではここに出てくる筈だった)を過ごした先が786m峰だ。
プラ杭を追って斜面を登る ようやく尾根に出る

786m峰からはさらに道が良くなってきて進行方向に白木山山頂のアンテナが見えてきた。登山道のド真ん中に土管の吸殻入れのある分岐で峠の車道からの楽々ルートが合わさると、高速道路並みの登山道に変わる。長いロープ場を我慢して登りアセビのトンネルを抜けると大展望の白木山に着いた。

お昼には間があるので山頂には誰もいないと思っていたが男性と女性がくつろいでいた。今日は気温が上って期待していた山頂からの眺めもイマイチなので挨拶をしてさっさと引き返す。
土管の灰皿のある分岐 白木山山頂

登ってきた道を引き返すと3分で押手山方面への縦走路の分岐がある。ここは赤い杭が目印だ!左の道に入りその先のコブから西尾根に入り急な尾根道をどんどん下っていく。

傾斜が緩やかになってくるとケルンが見えてくる。ここが縦走路の最初のポイントでケルンの先を回るようにして押手山へと続く稜線に乗る。ケルンを見落としてうっかり進んでしまうと大変なことになりそうな気がする地形が待っているので注意!
押手山方面分岐 ケルンのところで方向転換

アセビの木の多い急斜面の尾根道を立木を掴みながら下っていく。このあたりはハイノキが多い。自分のホームグランドの宗箇山や武田山では殆どといっていいほど見られないのに白木山にはたくさんあるぞ。鞍部付近には立派なヒノキ林が広がっていた。

ヒノキ林の林床には仏さまの木と神さまの木が仲良く同居している。鞍部から登り返したところがジャンクションピークの743m峰で、白木山と押手山の中間点だ。左に振れてヒノキ林の中を進んでいく。
立派なヒノキ林 743m峰

松葉のクッションが足に優しいヒノキ林の中を下っていくと桐陽台分れ…ここが2番目のポイントでうっかり直進してしまうとあらぬ所に出てしまう。今ではルート上に置いてある大小の枝が 「まっすぐ行っちゃあいけんよ」 と言っているが、自分が前回歩いたときはそのようなものはなく直進してしまって直に引き返した記憶がある。

さらに稜線を北に下っていくと木の間越しに押手山が見えだして間もなく高谷分れ十字路鞍部に着いた。高谷に下るルートは一昨年の8.20災害で登山道が崩壊して下るのには困難な状況が続いている旨の注意書きがあった。
桐陽台分れ 高谷分れ十字路鞍部

小刻みなジグザグを繰り返しながらヒノキ林の中を登っていく。そんなに急ではないが登りが続くので疲労した足には堪える。傾斜がゆるむと3等三角点の鎮座する押手山山頂に着いた。残念ながらヒノキの植林地につき展望は無い。

山頂から桧山方面に下る道は踏み跡が不明瞭で、こちら側を利用する登山者が少ないことを物語っている。ツルシキミの多い尾根道を北東に下ると台形の690m台ピークがあり東の端で左に振れる。この地点にはテープがたくさん付いているので心配することはない。
押手山山頂 690m台ピーク

690m台ピークから下っていくとウインチ作業に使った大きな切り株があり、そこから下の方にはヒノキの植林地が谷全面に広がっている。植林されてから10年以上は経っているのでヒノキは随分大きく育ち、今では無用となった鹿避けネットに沿って斜面を下っていく。

やがて林道が見えてきてのり面に架けられた梯子を伝って林道に下りる。林道を横断したところに休憩に適した丸太の椅子があるので小休止。植林が盛んだった頃は休憩小屋が建っていたところだ。
鹿避けネットに沿って下る ハシゴを伝って林道に降りる

林道を横断し、さらに鹿避けネットに沿って下っていく。このあたりは背丈くらいのウリハダカエデの枝が煩わしくてかなわん状態だ。左に派生する尾根に乗り換えて杉林の中を下っていくと谷に降りた。はて?こんな谷は初めてだ!地形図を確認すると本来下るべき尾根のひとつ手前の尾根に入ったようだ。

足場の悪い荒れた谷を下り林道に入ると直に見覚えのある景色が…間違いが明らかになった。本来はここに出る筈だったのに…トホホ(´;ω;`)
荒れた谷を下る ここに出てくる筈だった

林道は民家のそばをぐるっと回り込んで白木分れバス停の50mほど西側の車道に出る。押手山から桧山に下ったのは久し振りだ。押手山から桧山に下るルート調査のために足繁く桧山に通った頃のことを懐かしく思い出すが、如何せん人間の記憶というものは年月を経るごとに薄れてくるんだと改めて痛感した。ここを下ればあそこに出ると思っていたことが単なる思い込み(記憶違い)だったのはショックだ。

やはり経験や勘を当てにせずに、初心に帰って常に地図とコンパスで現在位置とこれから歩くルートを確認するということが如何に大切であるかということを改めて認識した山行きとなった。