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山 名
沼長トロ山(1014m)
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広島県廿日市市吉和
登山日 2015年11月11日(水) 晴れ A峰から望む沼長トロ山
A峰から望む沼長トロ山
参加者 単独
コース 立野野営場(7時15分)〜尾根に乗る(7:45)〜(8:15)806m三角点峰(8:20)〜850m台コブ(8:50)〜920m三角点峰(9:20)〜(9:45)D峰(9:50)〜B峰(10:00)〜1023m峰(10:10)〜道誤り10分ロス〜A峰(10:50)〜沼長トロ山(11:25)〜沼の原(11:40)〜林道銅山線に出る(11:50)〜昼食15分〜林道銅山線終点(12:40)〜渡渉(13:05)〜渡渉(13:10)〜林道に出る(13:50)〜(14:15)立野野営場
お弁当 林道銅山線で食べました(候補はB峰、1023m峰、A峰です)
駐車場 立野野営場(何時でも停められると思います)
トイレ 立野野営場(水洗です。冬季は閉鎖されます。冬季…何時から何時までかは?です)
まとめ 立野野営場〜沼長トロ山は以前から歩いてみたいと思っていたルートだった。2年前にヒノ谷を歩いたときに林道銅山線が思いの外延伸されていたので、その状況やヒノ谷に付いている植林の手入径を再確認したかったので、行きは尾根ルート帰りにヒノ谷を歩いてみることにした。

午前6時前の未だ薄暗いなか自宅を出て広島北ICから高速に乗る。今朝は相当冷え込んだようで戸河内の町は霧の底に沈んでいる。吉和に入ると霧のベールの上に頭頂部だけが覗いている女鹿平山が見えてきた。吉和ICで高速を下りて女鹿平スキー場の前の道を走っていくと 「道路工事中につき戸河内方面には通り抜けできません」 の案内があった。今度は押ヶ峠付近を直している模様。今の時期の立野野営場は静寂そのもの…車から出ると寒い!ブルブル!見上げると青空が覗いている!今日は予報どおりいい天気のようだ。


立野野営場のトイレの入口には動体感知センサーが取り付けられていて人が入ると電気が灯くような便利な仕掛けになっている。しかししかし…長居をしていて突然電気が消えたらあせるだろうなあ。

少し引き返して車進入防止用の鎖を跨いで、吉和川(太田川本流)の左岸に付けられた林道を歩く。そして折り返すように最初の枝林道に入る。この道は地形図には載っていないが、何となく利用できそうな気がしていた。でも考えが大いに甘かった。
早朝の立野野営場 一つ目の枝林道に入る

枝林道を末端まで歩いてみたが終点付近はヤブがひどくてどうにもならないので少し引き返してスギ林に突入した。少し登ると前方に林道が見えてきて、一つ南側の林道のヘアピンカーブのところに出た。

そのまま林道を歩いても尾根から離れるばかりなので再びスギ林に突入する。今度は超急斜面だ!立木を掴んで目の前に見える尾根に出た。ちょうどピンクのリボンが下がっているところだったので降下地点を示す目印かと思ったが、実は国有林の境界標石の場所を示すものだった。
適当なところから突入 尾根に上がった地点

今年最後の紅葉を楽しもうと臨んだものの稜線の広葉樹の紅葉は終わりを迎えつつあった。足下にはフカフカの落ち葉の絨毯が敷き詰められているが、フカフカが故に急斜面では滑って難儀をした。

左手に黒ダキ山の稜線を見ながら805m三角点に上がった。頭頂部は少し繁っていたので三角点を見ることなく進んでしまったようだ。正面に見える高い山は…名前が出てくるのに時間がかかった…女鹿平だ。ここで西に進路を変えると5分で809mピークに着いた。ササの背丈は高くても股までなので歩くのに支障はない。
城山(805m三角点) 809mピーク付近

809mピークからミズナラ林の中を鞍部まで下ると左手ヒノ谷側の植生がヒノキ林に変わってきた。ヒノキは相当広範囲に植林されているようで、沼長トロ山のエリアに入るまでづっと続いていた。

植林と広葉樹林の界を歩いて850m台コブに上がる。東側には雲海が見えている。北には黒ダキ山の稜線…木の間越しなのですっきり見えないのが残念だ!コブから進んでいくと次の910m台ピークが立ちはだかる…行けども行けどもだ。
左手がヒノキ林に変わる 850m台コブ

前方がやけに明るいなと思ったら林道が上ってきていた。近いうちに、ここらあたりのヒノキは伐採されるんだろう。尾根には間伐されたヒノキの幹や枝が放置されているところがあり歩き難いこと甚だしい。

林道を歩けばショートカットできそうだが充分余裕があるので尾根通しに歩いていく。次の910m台コブに上がると、沼長トロ山の馬蹄形の稜線で最も高い1023m峰が…ようやく沼長トロ山のエリアに近づいてきたぞ。
高いところまで林道が延びている 1023m峰(910m台コブより)

920m三角点は一番高いところにあった…だがピーク付近は繁っているので三角点ハンターではない限りは、わざわざ訪問する価値のないところだ。少し下りD峰から東に延びるベロ尾根に上がると地籍図根三角点があった。

右前方に1023m峰を見ながら進んでいく。D峰に着いたのは立野を出てから2時間半後で結構時間がかかってしまったが、ここまでのルートで難しいところやヤブで難渋するところはなく、全体を通して問題なく歩ける。ここにも地籍図根三角点の標柱がある。
920m三角点(振り返って写す) D峰(振り返って写す)

D峰からC峰方面を窺うと深い谷があるように見えるのと、踏み跡が全く見当たらないので、地形図を確認してスタートする。急斜面を下り登り返すと大岩が目立つC峰に着いた。

幹回り3m弱のブナの巨木が生えている斜面を登った先がB峰で、C峰からB峰までは僅かの距離だった。すっかり木の葉を落とした立木の間から吉和の小室井山や女鹿平山が見える。
大岩が目立つC峰 ブナが目立つB峰

1023m峰の手前にミズナラの巨木があった。岩の間をすり抜けるようにして1023m峰に上がる。稜線を西に向けて歩いていくとカラメルの匂いがする。匂いの主はこの辺りに多いタカノツメの落葉だった。今の時期はスケスケで左手には吉和冠山〜寂地山の稜線、右手には恐羅漢山から御境に延びる稜線がきれいに見えている。

この先のジャンクションピークで間違えた。やけにテープがたくさん付いているので 「ここで曲がるのか」 と安易に判断してしまい南西に派生する枝尾根に乗ってしまった。右手に尾根が見えるのでおかしいなあと思いながら下っていったが、間違っているとは露ほども思っていなかったので、前が切れ落ちているところまで下ったところで愕然となった。そんなに難しい地形ではないので方向さえ確認していれば間違う筈はないところなのに…一度歩いていることが慢心につながったのだ。
1023m峰

1023m峰西側の展望地から吉和冠山方面の眺め 1023m峰西側の展望地から恐羅漢山方面の眺め

スケスケのA峰から少し下ったところから南に沼長トロ山(冒頭の写真)が見える。A峰周辺は腰くらいの高さのササが密生していて鞍部までの下りや鞍部からの登り返しでは軽いササ漕ぎを強いられた。

登りきったところからは植生がヒノキ林に変わり歩き易くなってきた。左手に林道を見ながら林道と並行して登っていく。コブから少し下り登り返すと沼長トロ山に着いた。残念ながら展望はない。最後の方は踏み跡があり少しは歩き易かったが、D峰〜沼長トロ山までのルートは余り歩かれていないように思えた。
スケスケのA峰 沼長トロ山

沼長トロ山からは東尾根を下る。尾根はスギの混じる雑木林でササや灌木は無く歩き易い。カラマツの葉が音も立てずに舞い落ちていき尾根道を埋め尽くしていく。立ち止まってそれを見ていると西中国山地の秋の終わりを感じさせる。

平坦な沼の原に下りて右岸を歩いて下っていく。右岸に踏み跡があるようだがどこでも歩けそうな気がする。やがて前方に林道が見えてきた。左岸に渡渉して林道銅山線に出る。
東尾根を下る 林道銅山線に出る

銅山林道はヒノ谷を流れる沢の左岸側の少しだけ高いところに付けられていた。左に上っている道は行きに尾根から見えた林道だろう。アオザサ谷の落ち口を過ごすと間もなく林道が終わった。終点付近だけは整地が不完全だ。

終点に積み上げられたスギを乗り越えて山道に入ると、成る程山道がずっと続いている。しかし「山歩きのページ」さんの山行記に記載の公社造林の看板は見つけられなかった。山道が荒れているところは迂回したので、その所為かもしれない。沢が東に向きを変える付近まで植林が続いていた。
銅山林道終点 植林地はここまで

植林が終わると川岸はササの海に変わりササを掻き分けて進んでいく。崖のようになっているところは無理をすれば通過できないこともないが、あえて危険を冒すことはないだろう。水量も比較的少ないので、ここは一旦右岸にかわして100mくらい先で左岸に渡り返す。

渡り返したところに見覚えのある炭焼き釜跡があった。ここから高巻きが始まる。急斜面に付けられている道はところどころ崩落しているが、歩くのに大きな支障はない。
左岸に渡り返す地点 高巻き道の始まり

最初の炭焼き釜跡から10分で二つ目の炭焼き釜跡があった。この辺りから道が飛躍的に良くなり歩き易くなった。ただ沢から高いところを歩いているので足を踏み外すと大変な目に逢うので気は抜けない。

灌木帯を抜けスギ林の中に入りジグザグに下っていくと林道に下りた。下りたところは二本並んだスギの木の間で、林道終点の50mくらい手前だった。晩秋の紅葉を観察しながらスタート地点の立野野営場に戻った。
スギ林の中を下る 林道の終点近くに下りる

西中国山地の紅葉も見納めの時期だが、最後に色とりどりの紅葉を楽しむことができました。主役はカエデだが今回は脇役にスポットを当ててみた。
タカノツメ(沼長トロ山) ダンコウバイ(ヒノ谷) 果実付きコマユミ(ヒノ谷) クロモジ(ヒノ谷) チドリノキ(立野野営場)