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山 名
烏帽子岳(1337) 杵島岳(1321m) 熊本県阿蘇市
登山日 2014年9月27日(土) 曇り時々晴れ 杵島岳
草千里ヶ浜と杵島岳
参加者 夫婦
コース 草千里駐車場(10時50分)〜西側登山口(11:00)〜烏帽子岳(11:50)〜(12:15)昼食休憩(12:30)〜車道横断(12:45)〜古坊中(12:55)〜(13:20)1224mコブ(13:25)〜杵島岳(14:00)〜お鉢回り〜杵島岳(14:30)〜(15:00)草千里駐車場
ガイド おしどり登山隊 さんの このページ を参考にしました。(同じルートを歩きました)
お弁当 烏帽子岳北尾根の平坦地で食べました。
駐車場 草千里駐車場(駐車料金は410円です)
トイレ もちろんのこと草千里駐車場にはありますが、入山してからはトイレは見当たりませんでした。
まとめ 9/28の日曜日に葦北町にて所用があるので前日に熊本に入ることにした。久し振りの九州入りだから百名山の阿蘇山に登ろうと思い仙酔峡から高岳〜中岳と辿り周回する計画を立て、直前に念のためにと火口規制情報を確認すると…残ね〜ん…警戒レベルが2に上がっていたので、仙酔峡ルートは諦めて草千里周辺の烏帽子岳と杵島岳を繋いで登るファミリーコースに変更した。この日に木曽御嶽山が噴火した。

広島市内の自宅を午前5時に出て、廿日市ICから高速に乗る。九州に入り古賀SAで朝食休憩を採り、熊本ICで降りて国道57号線を走り赤水から阿蘇山ドライブウェイに入る。高度を上げていくと左手に米塚が見えてきた。紫色の塊りが道ばたに認められるが何の花だろうか?車を止めるところがないので確認はできなかったが…恐らくクサフジだろう。草千里展望所のヘアピンカーブを左に曲がると草千里ヶ浜が目に飛び込んできた。自宅を出てからの所要時間は5時間半で、やっと着きました。


登山道案内図 観光客が行き交うなか、そそくさと登山支度をして出発する。今日は反時計回りで、烏帽子岳、杵島岳の順に登る予定だ。駐車場から車道に出ると、のり面にアソノノコギリソウが咲いていた。

ヘアピンカーブのところから柵を跨いで登山道に入ると登山道案内図があったのでこれから歩くルートを再確認する。国立公園内にある比高の低い山だからといって侮ってはいけない。
烏帽子岳
登山道案内図(クリックで拡大) 登山口から烏帽子岳を望む

火口 東に見える噴火警報レベル2の阿蘇山噴火口からは噴煙がモクモクと噴出していて北西に流れている。後方の中岳、高岳はガスに覆われていて姿を見せてくれない。

西には阿蘇山への西からの進入口である『立野火口瀬』が見える。案内板にはカルデラの唯一の切れ目との記述がある。さらにその後方には熊本市の展望台である金峰山が薄らと見えているが山頂の電波塔までは確認できない。
立野火口瀬
東には噴煙を上げる火口 西には『立野火口瀬』

尾根道で多く見かけた花は、クサフジゲンノショウコシモツケノコンギク、アザミです。野菊の特定は難しいが葉がざらついていたのでノコンギクだと思う。アザミにはあまり詳しくないのでよく判らないが尾根道に途切れることなく咲いていたアザミは、大きい頭花、葉の先端が尖っていることからツクシアザミだろう。

草千里ヶ浜を後にすると間もなく横木の階段道が始まる。火山灰が固まった黒ボク土はつるつるなので滑らないように注意して登っていく。ヤマアジサイの残り花が未だ残っていた。傾斜が緩やかになると左手から東側登山道が合わさり程なく山頂に着いた。
階段道
階段道が始まる

烏帽子岳 2等三角点の鎮座する烏帽子岳からの眺めは360度広角の大パノラマ…もし晴れていれば最高なんだろうけど、運悪く先ほどよりガスが出てきてさっぱりだ。杵島岳方面の展望図のそばで、同じ方向を眺めてみるが草千里ヶ浜の一部が僅かに見える程度だ。

ここで休憩しようかと思っていたが、視界が悪いのと、登山者が多いのとで、お昼は諦めて下山することにした。
烏帽子岳
烏帽子岳山頂 山頂からの眺め(杵島岳方面)

ミヤマキリシマ 下っているとマナーの悪い登山者がいたので 『標識や三角点の付近は占拠したり、物を置いたりしないで下さいね。』 とやんわり注意した。メジャーな山でなおかつ手軽に登られるので、マナーを持ち合わせていない(山のマナーを知らない)登山者が多く入山してくるのは仕方がないことです。

ミヤマキリシマの壁の道を下っていく。ところどころに季節を勘違いしたミヤマキリシマが狂い咲きしている。数輪のものもあれば株全体に花を付けているものもある。東側の尾根筋にはノリウツギの花が多く見られるが、これは狂い咲きではなくて残り花だ。
ミヤマキリシマの壁

杵島岳 徐々にガスが晴れてきて目の前の杵島岳が再び姿を現してきた。ガスが出ていたのは1時間くらいだろうか。タイミングの悪いときに烏帽子岳山頂に立ったものだ。

山頂から25分で草千里ヶ浜分れまで下ってきた。分岐から先の尾根道は登山者は少ないだろうと思い分岐のスグ先でススキを風避けにしてお昼をとった。
草千里ヶ浜分れ
杵島岳が姿を現してきた 草千里ヶ浜分れ

ススキ 今日は朝から曇り空で芳しくない天気だ。それに時折り強風が吹き付けてきて肌寒いくらいだ。ススキの穂も風になびいて揺れている。鉄製の棒が等間隔で並んでいる。今では使われていない放牧柵の支柱なんだろうが、何かの目印にそのまま残されているのか?

最後に左に振れて急下っていき、牛馬進入防止柵の隙間から車道に出る。何故かここには登山口の案内はなかった。少しだけ車道を歩き、車道向かい側に付けられている遊歩道に入る。
草千里ヶ浜の東側登山口
風になびくススキの穂 草千里ヶ浜の東側登山口

杵島岳登山口 コンクリート道の遊歩道をテクテク歩いていくと古坊中に着いた。ここは阿蘇山スキー場があったところだが、長期休業の末、2011年に設備が撤去されて往時の面影はない。今では阿蘇遊覧飛行のヘリポート基地が近くにあるくらいで、広い駐車場は遊覧飛行のお客様専用となっているようです。

さて後半戦開始!『古坊中と杵島岳』の大きな案内板のところからコンクリート道を登っていく。あれあれヘリが近づいてきたぞ。もしや急病人が出たのか?着陸して速やかに誰かを乗せて飛び立った。よかったねえヘリが来てくれて。あれあれ戻ってきたぞ。今度は人が降りたぞ…やっと判った。こりゃあ遊覧飛行なんだ。
古坊中(杵島岳登山口)

牛の道 やや傾斜の付いたコンクリート道は、やがて段差の低い階段道へと変わり、ジグザグに付けられた道が1224mピークへと上っている。階段のそばには牛が歩いた跡があり、ところによっては深く抉られている。牛も人工のコンクリート道は嫌いなようだ。

振り返ると山頂付近に少しガスのかかる烏帽子岳と麓に広がる草千里ヶ浜が見える。ここからだと下ってきた東尾根ルートがよく判る。
烏帽子岳
人の道と牛の道 振り返ると烏帽子岳

1224mピーク 難なく1224mピークまで上ってきた。ここからは阿蘇の噴火口がより近くに見え、噴煙が勢いよく噴出している。こんな状況では、登っているときに 『火口に上がるロープウェイは運休しています。』 のアナウンスが風に乗って伝わってきたことには頷ける。

コブの付近には野焼きで真っ黒焦げになった低灌木が見られる。そう言えば運よく九重山の野焼きに遭遇したことがあったが、あれは何時のことだったのか?
杵島岳
1224mピーク コブから望む杵島岳

古御池(こみいけ)火口群入口 コブから下っていくと 『古御池(こみいけ)火口群』 の案内があった。時間的には余裕があるので、ぐるっ〜と大回りをして杵島岳のお鉢の西端に上ろうと思って草原に踏み込んでみたが、踏み跡が不明瞭なので諦めて引き返した。

緩やかに登って遊歩道が西にカーブするところから南斜面に取り付いた。← この道は1224mピークから、はっきりと認めることができる。
南斜面を直登
古御池(こみいけ)火口群入口 ここから南斜面を直登

杵島岳 初めのツクシゼリの花を見ながら、セリ科には間違いないが何という名前の花なんだろうか?と考えながら草の急斜面を登っていくと杵島岳に着いた。杵島岳山頂からは古御池火口縁を回る道が良く見える。前述の案内標識より20mほど南側にお鉢巡りの入口がある。

小休止の後、参考にしたガイドブックに倣って反時計回りで火口縁を回る。火口縁にはアキノキリンソウ、サイヨウシャジン、ワレモコウが数多く咲いていた。
杵島岳(後方は阿蘇噴火口) 古御池火口群(杵島岳より)

下り道 今日の烏帽子岳と杵島岳はその全貌を見ることもできたが、ガスに覆われている時間帯もあり、全体としてすっきりしない一日だった。先ほどまでは大勢の登山者で賑わっていた山頂は、お鉢巡りから帰ってくると、極端にその数が減っていた。自分たちも下山にかかることにして長い階段道を下っていく。遊歩道は一旦ドライブウェイに寄り添うが、すぐに車道から離れて草千里レストハウスの裏手に帰ってきた。

帰り支度をしていると、杵島岳山頂で一緒だった内牧小学校の児童たちも戻ってきた。ちょっぴり騒々しかったが元気な子どもたちだったな。十数年振りの阿蘇草千里は昔のままでちっとも変っていなかった。雄大な大自然の中に身を置き十分にリフレッシュ・充電できました。
杵島岳山頂からの下り道

阿蘇草千里を彩る花たち。トウヒレンは『キリシマヒゴタイ』かな?アソノノコギリソウはピンボケで掲載できず。
ノコンギク(キク科) アキノキリンソウ(キク科) ホクチアザミ(キク科) ツクシアザミ(キク科) コウゾリナ(キク科)
ホソバノヤマハハコ(キク科) サイヨウシャジン(キキョウ科) ノリウツギ(アジサイ科) ヤマアジサイ(アジサイ科) シモツケ(バラ科)
クサフジ(マメ科) ツクシゼリ(セリ科) ミヤマキリシマ(ツツジ科) リンドウ(リンドウ科) ワレモコウ(バラ科)

今日は大津町に宿をとっているが、投宿までには時間的余裕があるので足を延ばして外輪山の大観峰に上がってみた。
夕方が近くなり益々雲が広がってきて、期待していた眺望は得られない。標高が千メートル近くある展望台からは阿蘇山の周囲を取り巻く外輪山が良く見て取れる。北東の九重方面に噴煙が上る。
かすむ杵島岳 展望台 外輪山 パッチワーク