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山 名
十方山(1319m)
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広島県安芸太田町
登山日 2011年9月7日(水) 晴れ 十方山(撮影日2006/09/24)
黒ダキ山登山道より望む十方山
参加者 単独
コース 二軒小屋駐車場(7時30分)〜十方山シシガ谷登山口(8:00)〜水越峠(8:10)〜下山林道起点(8:45)〜(9:55)峠(10:00)〜雨量観測局(10:05)〜バーのキビレ分岐(10:25)〜廃車(10:40)〜(10:45)下山林道終点(10:50)〜ウシロヤマ谷出合(10:55)〜道誤り5分ロス〜(11:25)2番目の谷落ち口(11:30)〜(12:00)瀬戸谷登山道出合(12:05)〜(13:10)十方山(13:35)〜スギ林(13:50)〜シシガ谷登山口(14:45)〜(15:20)二軒小屋駐車場
ガイド AKIMASA.NET さんの 十方山山行記 を参考にしました。
お弁当 十方山で食べました(お昼はもちろんここでしょう)
駐車場 二軒小屋駐車場(スキーシーズン以外は満車になることはないと思う)
トイレ 二軒小屋(駐車場の片隅にあります。有難いことに水洗です)
まとめ 先月黒ダキ山に登ったときは仏岩で引き返したが、その後の調べで下山林道を歩いてバリエーションルートを使えば十方山瀬戸谷登山道に抜けられることが判った。今回は手始めに下山林道を通して歩き、バリエーションルートを確認してみることにした。なお、今回歩いたルートを含めた細見谷周辺の登山情報は、「細見谷渓畔林と十方山林道(山本明正・著)」に詳しく語られている。

中国自動車道を戸河内ICで降りる。早朝の戸河内町には上空に薄いキリがかかり未だ陽が差し込んでいない。今朝は相当冷え込んだに違いない。戸河内の中心地を過ぎ恐羅漢公園線に入る。内黒峠手前で左手に十方山が見えるのだが以前より随分見難くなったような気がする。夏場だからか?お陰で写真を取り損ねた。二軒小屋の駐車場に滑り込みそそくさと登山支度をして出発する。


二軒小屋の駐車場付近にはヤマハギが咲いている。山の季節は確実に秋に向かっていることが窺える。まず下山橋まで十方山林道を歩く。舗装された道はすぐに終わり、小石のゴロゴロした歩き難い道に変わってきた。右手の谷から流れ落ちる水が路上を流れ路面を抉り取っているような状況だから仕方がないのです。

二軒小屋から30分で十方山のシシガ谷登山口を通過し、さらに3分で旧羅漢山の水越登山口を通過してジワジワと登っていくとミゾソバの咲き乱れる水越峠に着いた。ここまでは旧戸河内町で横川川を遡ってきたが、峠を越えると旧吉和村に入り細見谷川に沿って下っていくことになる。
水越峠(向こう側が細見谷)

ケンノジ谷を渡り、続いてコンクリート橋を二度渡ると緑いっぱいの細見谷渓畔林のエリアに入る。左手には細見谷川が穏やかに流れ、渓流沿いには真っ直ぐに伸びたサワグルミが目立つようになってきた。トチの大木も多く見られる。右手の焼杉山南斜面にはブナが多い。

今の時期は花が多く、背の高いオタカラコウの黄色がひときわ目立ちます。他にはアキチョウジ、ウド、オトコエシ、キンミズヒキ、ゲンノショウコ、シシウド、ミズヒキ、ヤマハッカなどのありきたりの花が咲いていた。もっと多くの花があったと思うがいちいち記録をとっていないので思い出せない。厄介なオオハンゴウソウも結構見られます。困ったものだ。
細見谷渓畔林
細見谷渓畔林

下山林道起点 ずっと樹林の中を歩いていたので周囲の山並みは全く見えない状況が続いていたが、突然左手が開け明るい日差しが降り注いできた。その少し先に下山林道が左手に延びている。十方山林道と別れ左折して下山林道に入る。林道入口の下山橋の袂にはゲートがあり一般車両は進入できないようになっている。

【下山林道】 二軒小屋から十方山林道に入り水越峠を越えて下ると、やがて標高870m台の下山橋に至る。そこから下山林道が南に向かって十方山南西尾根を上がっている。峠を越えて瀬戸谷に入ると十方山南西尾根の東南斜面を北東に向かいバーのキビレ下を通り越して延びている。(山本明正著・細見谷渓畔林と十方山林道より抜粋)
下山林道起点

下山林道 細見谷川に架かる下山橋を渡って下山林道に入ると、いきなり朝露をたっぷりと含んだ夏草の洗礼を受け、たちまち下半身がびしょ濡れになる。クニンゴヤ谷の手前まで登ると林道の下草が刈ってあるので少しは歩き易くなったが、峠までは茂ったところが何ヶ所かあり難渋した。

下山林道起点から15分でクニンゴヤ谷を渡って西に進んでいくと焼杉山や五里山系が見えるポイントがあったが、今の時期どうしても木立が邪魔をするのでパノラマという訳にはいかない。高度を上げていくと下草は少なくなったが、今度は泥濘に苦しめられる。アサギマダラがヒヨドリバナの蜜を求めてヒラヒラと舞っていた。
夏草に覆われた下山林道

焼杉山 五里山系
下山林道標高950m付近より望む焼杉山 下山林道峠手前の展望地より望む五里山系

峠 峠の手前右手に広場があり、そこから五里山系を望むことができるが、今の時期はどうしても草木が邪魔をしてしまう。峠を越えて瀬戸谷側に入ると目の前に立岩山の稜線が飛び込んできた。しかし楽しみにしていた黒ダキ山は峠からは見えなかった。

暫く下っていくと十方山雨量観測局の設備があり、その先で右手に林道が分岐していた。上手く利用すれば黒ダキ山方面への近道にならないか?
下山林道の峠 十方山雨量観測局

バーのキビレ下 下山林道をどんどん下っていく。せっかく登ったのに下らなければならないのはもったいないが仕方のないこと。右手には木立の隙間から黒ダキ山が見えるが開けたところが全くないので写真に収めることはできなかった。

進路が東から北に変わると黒ダキ山は手前の尾根の後ろに入り見えなくなってしまった。その代わりに前方に三ツ倉付近の稜線が見えだした。峠から20分弱でカーブミラーを見つけた。林道は荒廃が進み長いこと車が入ったような形跡もないので今では全く役に立たないものになっている。そこから程なくバーのキビレ下の広くなっている谷を渡る。立木の枝にピンクのリボンが下がっていた。
バーのキビレ下の谷

林道終点 バーのキビレ下の次の谷を渡ってから、それまで下っていた傾斜が緩やかな登りに変わる。実際の林道は地形図表記より先に延びていて、南向きの標高970m台ベロ尾根を回り込んでいる。そのベロ尾根の先端付近に廃車があり、そこから尾根沿いにテープが付いている。当初 、この尾根は使えるんではないかと思っていたが、やはり歩く人がいるんだ。

廃車から6分で林道終点に着いた。ここまで二軒小屋を出発してから3時間と少し、結構歩かされた。沢の音が聞こえるので下の方を覗き込んでみるものの、見えるのは広葉樹ササ床のこんもりとした急斜面だけで沢は見えなかった。
下山林道終点

林道終点からは目印の付いた薄い踏み跡を辿り斜面をトラバース気味に下っていくとウシロヤマ谷に出合う。出合いのところのスッ〜と伸びた樹木の幹に赤テープが何ヶ所も巻きつけてあった。そのまま左岸に渡ると植林地があり、明瞭な踏み跡が上がっている。「何〜んだ、左岸を高巻いて下るのか、こりゃあ楽ちんだ。」 と思ったが、踏み跡は植林地の中でぷっつりと途絶えてしまった。約5分のロス。

沢まで戻り左岸側を下っていくとすぐに小滝があり右岸側から巻いて下る。その後は沢沿いに歩き易いところを選んで下っていくと、出合いから15分(ロス時間を除く)ほどで左手から小滝のところに流れ落ちる1本目の枝沢があった。この枝沢はパスしてさらに下っていく。
谷出合い
ウシロヤマ谷出合い(左岸側から写す)

最初の枝沢から10分ほどで左手から流れ落ちる2本目の沢があった。これが目的の枝沢だ。テープも何ヶ所か付いていたので、この枝沢を登っていくので間違いないだろう。地形図と照らし合わせてみると谷の落ち口付近の傾斜が現地の方が緩いように思えた。小休止の後、2本並んだサワグルミの大木の左手から枝沢を登っていく。

【林道終端から十方山に至るには】 まずウシロヤマ谷に下りて沢の中を下る。そして十方山南尾根コース上の三つ倉1030m台から西北西に落ちる尾根手前で左折して、その尾根の北側に入る。沢を詰めて登ると南尾根コースの標高約1000mに至る。普通の登山靴で歩けなくはないが沢靴が適当であろう。(山本明正著・細見谷渓畔林と十方山林道より抜粋)
2本目の枝沢落ち口付近の景色

枝沢を登る 歩き易い谷だ。ゴルジュや落差の大きい滝はないので巻くようなことはなく沢沿いに登っていくことができる。倒木も殆どなくてアスレチックスの真似事をすることもない。暫く登っていくとカリガネソウが咲いていた。先々週の黒ダキ山では蕾だったので花を見ることができて満足。見かけない白い小さな花があったので写真を撮って後ほど調べてみるとオオヤマハコベだった。画像ではハコベの特徴である花弁の切れ込みが容易に判るのに、現地では判らなかった。また老眼が進んだようだ。

やがて水の流れがなくなり目前に稜線が見えてきて、足下にはササが出てきた。稜線に上がる踏み跡を見落としてしまったようなので、急斜面をササを掻き分けて強引に登っていき少し右に振れると十方山瀬戸谷登山道に飛び出した。
枝沢を登っていく

飛び出した地点は三ツ倉ピークから下る尾根道と巻き道が合わさった地点の少し先だと思う。お役御免のスパッツを外し小休止してハイウェイのような道を登っていきます。標高1080m台付近にテープがあった。そこから西南西に延びる尾根を下っていきウシロヤマ谷に下りれば短時間で下山林道に至るのではないだろうか?しかしいくら地形図を眺めていてもルートが浮かんでこない。

標高1150m台の平坦な道が続く先にもマーカーがあった。下山林道のベロ尾根に至るルートを示すものか?そこからダラダラと登っていくと遭難碑があり、ようやくゴールが見えてきた。
十方山登山道
十方山登山道(標高1150m付近)

十方山 草原に出ると晩夏〜初秋の山野草が競い合うように咲いている。早くもアキノキリンソウが咲き、蕾のトウヒレンは来週には咲くだろう。振り返ると黒ダキ山が見える。やがてポツンと立つ山頂標識が見えてきて、山頂間近になると山名が読み取れるようになってきた。やっと着いたといった感じです。

山頂では3名のご婦人が下山支度をしていたが、自分が山頂に着いたのと入れ替わりに瀬戸谷の方に下山され、広い山頂は自分だけとなった。芝生に腰をおろし周囲の展望を楽しみながらお昼にする。アキアカネが舞っている。山には秋が来ています!
360度大展望の十方山

下山は最短距離のシシガ谷ルートを採る。十方山周辺の山は案内標識が整備されて久しいが標識のお陰で目的とするルートの方向が一目瞭然に判るのは登山者にとって有難い。下り始めて10分くらいで背丈のあるオタカラコウの花が咲く湿地帯を通過すると間もなくスギの植林帯に入る。

登山道は雨水の流れ道となっていて大小さまざまな大きさの石がゴロゴロしていて、おまけに苔むしているので、とても歩き難い。テープを追って歩き易いところを選び、倒木を避けながら下っていく。
スギ林
スギ林が続く

沢沿いに下る スギ林を抜けると一旦は渓流沿いの道になるが、そのうちに渓流と離れ、ずっと高いところを下っていく。スギの倒木で猛烈に荒れたところを迂回して下っていくと 「山火事防止」 の横断幕が架かるシシガ谷登山口に着いた。

右折して十方山林道を下っていくと二軒小屋に戻ってきた。駐車場には自分の車しか見当たらない。今日は貸し切りだったようだ。
シシガ谷登山口
沢沿いに下っていく シシガ谷登山口

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