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山 名 |
黒ダキ山(1085m) | 広島県廿日市市吉和 |
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登山日 | 2011年8月14日(日) 晴れのち曇り |
吉和IC付近より望む黒ダキ山
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参加者 | 単独 | |
コース | 立野野営場(7時45分)〜小松原橋(8:00)〜690m台屈曲点(8:25)〜(9:00)882m独標(9:10)〜914m独標(9:35)〜(10:15)合流地点(10:20)〜黒ダキ山(10:45)〜(11:00)仏岩(11:20)〜黒ダキ山(11:35)〜合流地点(12:05)〜(12:15)細見谷降下地点(12:20)〜休憩5分〜下山林道(13:05)〜(14:05)立野野営場 | |
お弁当 | 仏岩で食べました(黒ダキ山山頂は夏場は敬遠すべきです) | |
駐車場 | 立野野営場(台数を気にするようなことはないと思う) | |
トイレ | 立野野営場(水洗です) | |
まとめ | このところ真夏日が続いているので西中国山地の山に登って涼もうと考えていた。と思いつつも選んだのは黒ダキ山へのヤブ漕ぎ登山ルート。なお、今回の山行きに際しては 「広島山稜会」 さんのルートマップを参考にしました。 |
広島県下は「午後になって所により俄雨」の予報が出ていたので少し早めに自宅を出た。中国自動車道を西進し吉和に入ると吉和冠山〜広見山の稜線が見えてきた。よっしゃ今日は空気が澄んでいるぞ。吉和ICで降りて女鹿平スキー場の前の道を走り立野野営場に入と幾つものカラフルなテントが設営してあるのが目に飛び込んで来る。結構混んでますね。子どもたちが遊び回っているが、まだ寝ている人もいそうなので、そろ〜っと登山支度をして出発する。
家族連れで賑わう立野野営場を後にして県道まで出て立岩ダム方面に歩いていく。道ばたにはキツネノカミソリの花が群落を作っている。直に小松原橋が見えてきた。橋を渡ったところにある大トチの左手から山に分け入るとすぐに踏み跡が見つかった。 踏み跡を辿っていくと一旦ナガ谷の沢に行き当たり、沢の手前で折り返して尾根に乗る。急斜面なので道はジグザグに付いていて何度も折り返しながら高度を上げていく。亀井谷の33曲がりのような感じだ。踏み跡は明瞭で下草はなく楽に歩けるので 「これなら誰かを誘ってまた来てもいいな」 と思ったが、実はそれは無理な相談だったということが後になって明らかになってくる。 |
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取り付きの小松原橋 |
高度が上がってくると女鹿平山が顔を出してきた。たいがいスキー場の側から眺めているので、ゲレンデが見えないと違った山のように思える。ツガの木が目立つ広葉樹林の中で殆ど展望がないので周囲の山が見えると何故かホッとする。 左手のナガ谷から涼しい風が吹き上げてきて全く暑さを感じない。取り付きから25分でツガの大木が立つ屈曲点を通過する。相変わらず明瞭な道が続く。 |
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振り返ると女鹿平山が顔を出す | 690m台屈曲点(向こう側が麓) |
690m台屈曲点からは緩斜面が続く。桑原先生の「西中国山地」にはナガ谷に下るトラバース道が記されてあるが見落としてしまったようだ。今まで明瞭だった道だがササが出てきて歩き難くなってきた。この辺りから、細見谷からの合流地点まではヤブを漕ぎながら微かな踏み跡を辿って登っていくくことになる。高度が上がるにつれてミズナラやブナが目立つようになってきた。 690m台屈曲点から30分弱で赤い「境界見出標」のある840m台の肩着く。そこからは倒木が多くて進むのに難儀をするが、間もなく最初の設定地点の882m独標に着いたので小休止。左足がしっくりこないので靴下をはき直して再スタートする。 |
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展望のない882m独標 |
882m独標から10分弱で境界見出標のあるコブを通過して下りにかかると素晴らしい広葉樹の森が見えてきた。そこには小振りのブナが面的に広がっている。だがササが深くなってきたぞ。 鞍部から強引にササを掻き分けて道なきところを登っていくとツガの大樹と境界標石と保安林の標識の立つ880m台ピークに着く。そして間もなく次なる設定地点の914m独標に着く。 |
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広葉樹の森が広がる | 境界見出標のある914m独標 |
先ほどから左手の高いところに下りに使う予定の尾根が木の間越しに見えている。何となくあのあたりが合流地点かなと思いながら軽いアップダウンを繰り返していくと、松の混じる灌木帯の登りに差し掛かった。灌木の枝を掻き分けながら登っていかなければならないのが大変だ。さらには陽がまともに差し込んでくるので少し暑いぞ! 尾根が合わさるところで左に振れた。振り返ってみると杉の小枝にテープがあったが、逆方向だと判り難いかも。露岩の多い急斜面を登っていく。この登りはきつい。下りには使わない方が賢明だろう。5分くらい喘ぐとようやくと前方に稜線が見えてきた。 |
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露岩の多い急斜面を登る |
急斜面を登ると赤い吸い殻入れの3mほど東側に飛び出した。そこにテープはあったが稜線から下を覗き込んでも、尾根地形は見えないので、まさかルートがあるとは思えないだろう。 右折して黒ダキ山を目指し西に進んでいく。稜線に出ると明瞭な踏み跡が付いているので有難いが、灌木が煩わしく枝を払いながらの前進となる。時節柄展望は得にくいが時折り左右の展望が開け、吉和冠山や十方山が目に飛び込んでくるのが嬉しいね。稜線上にはホツツジがずっと咲いている。ママコナ、マルバマンネングサもあった。 |
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合流地点は吸い殻入れのところ |
稜線上の開けたところから十方山が間近に見える。近すぎて山頂がどこか特定できない。元々ずんぐりした山頂だから判り難い。反対方向の西側には吉和冠山が見えるが湿った空気が入り込んできてすっきり見えない。随分ぼんやりしてきた。 |
スタート時点では青空が広がっていたが、だんだんと灰色の雲に覆われて、いつ降り出してもおかしくないような状況になってきた。ブナが散見される尾根を登り切ると黒ダキ山の山頂に着いた。 山頂部は夏草に覆われていて、かろうじて赤い吸い殻入れと白い標柱が確認できる。3等三角点は標柱の傍らに鎮座しているが右の写真では全く見えない。 |
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黒ダキ山手前のブナ林 | 夏草に覆われた黒ダキ山山頂 |
黒ダキ山からさらに西に進んでいくと森の様相が少し変わってきたように思えた。手付かずの原生林のような気配が漂ってきたのだ。尾根が細いので微かな踏み跡は付いているが登山道と言えるような道ではない。黒ダキ山から15分で仏石に着いた。仏石のてっぺんに登ることは不可能だが、隣接する岩の上に上がってみた。しかし樹木が邪魔をして展望は得られなかった。 仏岩の手前に腰を下ろすのに適した岩があったので、ここでお昼にする。南側のホトケ谷に大きなブナがある。そのブナのあたりから気持ちのよい涼風が吹きあげてきて、まるで天然の冷風扇のよう。す〜っと汗が引いていく。あ〜ぁ天国だ!しかし涼風に当たり続けていると寒くなってきたので早々に引き返す。 |
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屹立する仏石 |
下山は展望を楽しみながらのんびりと下っていく。黒ダキ山を素通りして軽いアップダウンを繰り返すと、小松原橋からのルートの合流地点まで戻ってきた。そこからさらに尾根通しに下っていくと約10分でササに埋もれそうになっている赤い吸い殻入れがある。この吸い殻入れが細見谷に下る目印だ。吸い殻入れの30m先で右折して南に派生する支尾根に乗って急下っていく。 【赤い吸い殻入れ】 営林署が設置した吸い殻入れは稜線上に3ヶ所ある。ひとつは細見谷に下る地点。二つ目は小松原橋ルートの合流地点。そして三つ目は黒ダキ山山頂です。他にもあるかもしれないが自分はこの3つしか確認していない。 |
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ササに埋もれそうな吸い殻入れ |
尾根道は等間隔にテープが付いているので安心して下れる。展望は殆どないが右手に黒ダキ山が見えるポイントが幾つかある。林道まで半ば以上下ったところに胴回り3m弱の大ブナがあった。そこから少し下っていくとやたらとテープがあるところで踏み跡が二分していた。ハテどちらへ行くべきか? 最初は左がテンガダキへのトラバース道だと思った。もしや新しい道ができたのか?しかし地形図と照らし合わせてみると左が下山ルートで、斜め右が大岩へ下る尾根道だと判った。左折してツガの大木の目立つ尾根を下っていく。 |
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やたらテープのある分岐 |
やがて前方に林道らしき道が見えてきた。トラロープが垂らされた崖のようになっているところを慎重に下りると下山林道に降り立った。ここからは夏の谷沿いの湿ったところに咲く花を観察しながら林道を下っていくと、テンガダキ谷を過ぎたところでカリガネソウが蕾を付けているのを見つけた。この花は広島県西部では初めてお目にかかります。 他には、キンミズヒキ、ダイコンソウ、ツリフネソウ、トウバナ、ヌスビトハギ、ノブキ、ヒヨドリバナ、フシグロセンノウ、ミズタマソウ、ミズヒキなどの花が咲いていた。珍しい花がないかとウロウロしたので、僅か1〜2分のロスが積み重なって結構時間をロスしたような気がする。 |
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林道に降り立つ |
下山林道はいつ頃造られたんだろうか?ガードレールやカーブミラーが残っているが、もはや車が通行できるような状況ではない。このまま放置されますます荒廃していくんだろう。今でも充分荒廃しているが。 細見谷川はずっと下の方を流れていて沢の音は聞こえてこなかったが、高度を下げるにつれて沢が確認できるようになってきた。やがて細見谷川に架かる細見谷橋を渡ると、子ども達が楽しそうに遊んでいる立野野営場に戻ってきた。 |
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役に立たないガードレール | 細見谷橋を渡ると立野野営場 |
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