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山 名
平家ヶ岳(1066m) 段木屋山(1042m)
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山口県岩国市錦町
登山日 2010年月11日21(日) 晴れ
小五郎山より望む平家ヶ岳
参加者 単独
コース 宮固屋(8時5分)〜立ち話5分ロス〜(8:55)平家屋敷跡(9:00)〜(9:20)尾茂越(9:30)〜(9:50)平家ヶ岳(10:00)〜1042独標(10:20)〜(11:10)段木屋山(11:15)〜(11:55)荒田山分岐(12:00)〜(12:35)鞍部(12:50)〜平家屋敷跡(13:20)〜(14:00)宮固屋
お弁当 鞍部で軽食を食べる(候補は平家ヶ岳山頂だけです)
駐車場 宮固屋作業小屋前の私有地(ありがとうございました)
トイレ 大固屋香椎神社の手前(手洗い水あります)
まとめ 鈴ノ大谷山や小五郎山から平家ヶ岳の稜線が見える。付近には千メートル前後の同じくらいの高さの山が連なっているので、同定するのが難しい山域である。ここはひとつ歩いてみて稜線の実態を掴んでみよう。

訳ありて早起きをした。朝までひと眠りするには中途半端なんでそのまま起きていて真っ暗な中、家を出る。中国自動車道を六日市ICで降りて国道187号線を南下する。今朝は相当冷え込んだようで六日市や錦の町は霧の底に沈んでいた。国道434号線に入り木谷川に架かる橋を渡ったところで右折して木谷峡に入る。霧のため道路標識は見えなかったが最近何回か走った道なので労せず木谷峡まで行けた。


大固屋から歩くのは距離が長すぎるので、鹿野分れから林道を1.1kmほど入ったところにある作業小屋の道路反対側にある空き地に駐車した。支度をして木谷川の右岸を上がっていく。約20分ほど歩いたところに軽自動車が停まっていて年配の男性がいたので立ち話をする。その地元の方の話では、自分が車を停めたところは、宮固屋という地名で以前は何軒かの家があったが火事でみんな焼けてしまってしまったそうだ。

落葉が進み、歩いている間にも多くの木の葉がヒラヒラと舞い落ちて林道が木の葉で覆われていく。カーブを曲がるたびに平家屋敷跡が見えるのを期待するものの、先には道が続くだけ…といったことを何回か繰り返して、宮固屋から50分でようやく分岐があった。分岐の先に平家屋敷がある。
分岐(左:平家屋敷跡 右:尾茂越)

以前ここに来たときは砂防堰堤工事中で平家屋敷跡の前の広いスペースには工事用の車両がたくさん停まっていて騒々しかったような記憶があるが、今はひっそりとしていて如何にも平家の落人が住んでいたような雰囲気を漂わせている。ここまで無理をすれば車で上がってくることができるが、路面の状態が悪いところもあるので一般車での乗り入れは避けた方が良いと思う。平家屋敷の少し奥には 「錦川22世紀源流の森」 が整備されていた。

【平家屋敷跡】この周辺が平家屋敷と呼ばれるところです。壇ノ浦の合戦に敗れた平家一門の松前隼人守は、一時馬糞ヶ岳に移り住みました。しかしここも源氏の知るところとなり、松前一族はさらに源氏の追手から逃れ、この山峡に移り住み農耕や木地師をして暮したということです。(説明板より)
平家屋敷跡
平家屋敷跡と説明板

尾茂越 分岐まで戻り平家ヶ岳まで1.5kmの案内標識のところから東に伸びる林道に入る。ヒノキの植林地の中に付けられた道を上がっていき左手に砂防堰堤を過ごすと間もなく尾茂越に着く。付近は道幅が広くなっていて充分な駐車スペースがあるが、ここまで車で上がると登山にはならないでしょうね。

車止めの鎖を跨いで林道を進んでいくと展望地があり、安蔵寺山〜築山〜白旗山〜寂地山系に至る西中国山地の名山が見られる。六日市の町にはまだ霧がかかっていた。すぐ目の前の植林のピークの向こうにはチラっと平家ヶ岳の山頂が見えています。さて登山口の案内標識のところまで戻りササの斜面に突入していく。ここからが本当の登山です。
尾茂越の平家ヶ岳登山口

尾茂越からの展望 羅漢山
尾茂越からの眺め(北〜北東方面の展望が開ける) 平家ヶ岳南尾根からの眺め(北東〜東方面)
水ノ尾山 長野山
平家ヶ岳南尾根からの眺め(水ノ尾山に続く稜線) 平家ヶ岳南尾根からの眺め(南〜南西方面)

登山口を入るといきなりササが被さってくるが明瞭な踏み跡があるのでさほど苦にはならない。背後から朝日を浴びながら、雑木林とヒノキ林の境の急登道を登っていく。しかし陽がずいぶん高くなってきたので少し暑いぞ!

気持ち下って登り返すと、周囲の展望が開けてきた。羅漢山の方向には山が重なって遠くまで見えるが微妙に霞んでいるのが残念だ。展望を楽しみながらササの道を登ると2等三角点の鎮座する平家ヶ岳に着く。山頂からは白旗山〜長野山までを見渡すことができる。しかし灌木が成長してきているので夏場の展望は少し落ちるだろう。
平家ヶ岳
平家ヶ岳山頂

平家ヶ岳から稜線を西に向かい本格的なヤブ漕ぎの開始だ。平家ヶ岳から9分で露岩のある西の展望台に着く。以前ここに来た時は稜線にはササが被ってなく問題なく歩け、展望所からは長野山が見えていたような記憶がある(記録がないので当てにはならない)が今では往時の眺めは期待できない。稜線にはブナが現れる。

さらに10分で1042m独標に着く。ここの登りは僅かだがササが手前に倒れているので、ササを掻き分けながら体を押し込まなければ進んでいくことができなかった。さらに10分で次のピークに着くと前方に段木屋山(朝倉分れ)が見えてきた。
段木屋山が見えてきた

段木屋山 鞍部まで下るとヒノキの植林があり、左手には稜線が迫ってきた。段木屋山への登りで振り返ると歩いてきた稜線の向こうに平家ヶ岳が見える。山頂手前で心持ち左に振れると4等三角点の鎮座する段木屋山に着いた。山頂標識の類はなく展望も全くない。

段木屋山はターニングポイント。ここから後半に入る。まずは南に向かいすぐに右に振れて正面に荒田山を見ながら深いササの斜面を下っていく。
下り
段木屋山(朝倉分れ) 正面に荒田山を見ながら下る

ナラ林 左手に稜線が見える。一瞬あれっ?と思ったが、そのような地形なんだと納得。右手には木の間越しに鈴ノ大谷付近の山並みが見えるが、落葉したスケスケの時期でもすっきりとは見えないのが何とも歯がゆいところ。切り開きや展望岩があれば景色が広がって一服の清涼剤になるんだが今回の周回ルートに限っては、そんなところは見当たらなかった。

段木屋山から20分くらいでササの薄い歩き易いところがあった。ほんの短い区間ではあるがナラ林が続く素晴らしい森が広がっている。こんなところもあったんだ!荒田山が近くなってきた。荒田分れから荒田山の間には2つのコブが見える。
明るいナラ林が続く

南に振れて小コブを乗り越して荒田分れピーク(ノブガ浴山)への登りにかかる。この登りはササの背丈が高く、しかも、密生しているうえに絡み合っている超一級品のヤブだ!仕方なく少しだけ左手の植林に逃げてしまった。登り切ったところが荒田分れで、日本分水嶺と書かれた小さいプレートがあった。振り返ると平家ヶ岳付近の稜線が見えている。馬蹄形の稜線を左回りに歩いているのでスタート地点に近付いているんだ。

荒田山を往復することも選択肢には入れていたが、荒田山への道は今まで歩いてきたヤブと違い踏み跡が極端に薄いことが予想され体力勝負になってしまうだろう。これまでのヤブ漕ぎで草臥れて、大ヤブの稜線を往復する気力がなくなってしまった。荒田山は次回以降に持ち越すことにして南に向けて縦走を続ける。
荒田分れ
荒田分れより平家ヶ岳を望む

鞍部 荒田分れからは木の間越しに平家ヶ岳の稜線を見ながらアップダウンを繰り返す。ササは背丈を越えるようなヶ所がありササのトンネルを潜ったりする。やがて長いスロープを降下していくと鞍部に下りる。

鞍部には樹木の幹に赤テープが何ヶ所も巻きつけられていたり、平家屋敷と記された小さなプレートもあるので、そこが平家屋敷への降下地点だと判る。鞍部で左折してヒノキの植林の中に入り、植林谷の左岸側に付けられた植林用の手入れ道を下っていく。
谷を下る
降下地点の鞍部 植林の左谷を下る

下り始めて8分で沢を右岸に渡り、その後は右岸側の薄い踏み跡を辿って下っていく。林道に出るには左岸を下らなければいけないのだが、右岸を歩いていたために自然と地形図にある破線道に入ってしまいました。高巻き道を辿って尾根を乗り越して、ひとつ南側の谷に出て、谷を渡り右岸沿いに下っていくと堰堤が見えてきた。

やっと里まで降りてきた訳だが、下ってきた道は倒木が多く、ササも茂り、イバラがはびこり、踏み跡は不明瞭で、まともに歩けるような道ではなかった。← あまり歩かれてなく廃道に近い。堰堤を右側から乗り越して、飛び石を伝って木谷川の本流を渡ると平家屋敷跡に戻ってきた。
平家屋敷跡
平家屋敷跡に戻ってきた

香椎神社 明るい午後の日差しに映える紅葉を楽しみながら林道を下っていく。鹿野分れまで戻ると紅葉見物の車が…鹿落ちの滝にも…大固屋まで下ると結構停まっていた。皆さん名残りの紅葉を求めて繰り出していますね。今の時間から上ってくる車はないだろうと思っていたが、とんでもありませんでした。狭い道が続くので離合が大変だった。

広瀬では学校のグランドで秋祭りが開催されていて、多数の町民の参加で盛り上がっているように見えた。時間があるので寂地峡に立ち寄ってみる。ここも人出が多い。店は今月で閉めるよと売店のおばさんが言っていた。紅葉が終わると山は静寂を取り戻し、長い冬に入っていくんだ。
香椎神社の紅葉(手前が麓)

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