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山 名
猿政山(1268m)
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島根県奥出雲町
登山日 2010年11月20日(土) 晴のち時々曇り 国道より望む
可部屋集成館前の国道より望む
参加者 夫婦 Hさん
コース 登り:登山者用駐車場(9時15分)〜車止め鎖(9:35)〜林道分岐(10:00)〜(10:30)林道終点登山口(10:35)〜稜線出合い(10:45)〜1077m独標(10:55)〜南尾根に乗る(11:35)〜山頂部東端(11:40)〜(11:45)猿政山 所要時間2時間30分
下り:猿政山(12:30)〜急降下地点(12:40)〜1077m独標(13:05)〜林道に降りる(13:20)〜林道分岐(13:50)〜車止め鎖(14:10)〜(14:25)スタート地点 所要時間1時間55分
お弁当 猿政山山頂で食べました(他に適したところはありません)
駐車場 内尾谷集落手前の登山者用駐車場(5台くらい停められます) 他にも集落内に何ヶ所かあります。
トイレ 高野町新市交差点の公衆トイレ(水洗です) 可部屋集成館(水洗です。集成館の営業時間外は閉鎖されていると思う)
まとめ 今年も高野行きの日がやってきた。付近の山登り+りんご園でりんごを買い求めるという晩秋の時期の恒例行事です。当初は口和の釜峰山などを候補としていましたが、前日になって天気予報が 「降水確率40%の不安定な天候」 から 「滅多にないようなお出かけ日和」 に変わったのでので思いきって猿政山に登ることにしました。

三次から県道39号三次高野線を走る。口和町では陰陽連絡道尾道−松江線の口和ICの工事が真っ最中で、朝早くから大型ダンプカーが行き交っている。高野町内も橋脚工事が進んでいて、開通に向けて工事は着々と進んでいるようです。高野町新市から国道432号線に乗り大貫峠を越えて島根県に入り、可部屋集成館の案内に従って右折します。


林道入口 可部屋集成館の駐車場を右に過ごし館内を通り抜けて内尾谷林道に入っていきます。林道の起点には林道標識と猿政山の案内標識がある。

何回か車のお腹をこすりながら林道を2.2km進んでいくと、集落の手前左手に登山者用の駐車場があったので駐車する。駐車場の案内のそばに 「クマ出没の恐れがありますのでクマ除け鈴を着用しましょう」 の注意書きがあり、そばに熊ベルが幾つか入ったケースが置いてあった。なお駐車場の場所は中電の電柱番号 阿井299号 の先です。
登山者用駐車場
林道内尾谷線の起点 登山者用駐車場

地形図には駐車場のある場所付近に人家のマークがあるが、今では家屋は解体されていて見当たらない。集落の中に付けられた道を奥の方に進んでいくと家屋が数軒あるものの、いずれも人が住んでいるような気配は感じられず無住のような気がする。ただ農機具が置いてある家もあったので期間限定で住んでいるのかも?道路の水溜りには氷が張っている。山間から明け方は相当冷え込むんだろう。

最奥の廃棄耕作地付近からは西の方向に朝日に映える鯛の巣山が望める。ヘアピンカーブを過ごすと車止めの鎖があり、そばに 「関係者以外立入禁止」 と書かれた王子製紙内尾谷社有林の看板がある。林道を歩くだけだから許してもらおう。車止めの鎖から2分で右岸に渡り沢沿いに登っていきます。林道といえども傾斜がきつく山道を登っている感覚に陥ってします。
車止め
車止め(水色の支柱の間に鎖)

林道分岐 折り返し沢から離れスギ林を抜けると左手に内尾谷の集落が見える。その向こうには大万木山がでっかい。振り返ると猿政山の頭頂部も見える。尾根を乗り越して標高800m付近まで上がっていくとブナが見られるようになった。暫く尾根に沿って登っていくと林道が二分するので右の道をとり折り返します。

再び尾根を乗り越すと展望が開け、鯛の巣山〜大万木山〜島根県民の森周辺の山が見えてきた。素晴らしいパノラマだ!行く手には荒々しい山容の猿政山がようやく姿を現した。おやおや双眼鏡を手にした男性が…聞けば、依頼を受けて野鳥の観察をしているとのことでした。猿政山を含むこの近辺の山に相当精通しておられるようで、林道から見ることのできる山の名前や猿政山登山道の近況などを教えて頂きました。有難うございました。
林道分岐は右へ折り返す

猿政山 大万木山
林道から猿政山を望む(実際にはもっと荒々しく見える) 林道から島根県民の森〜鯛の巣山の稜線を望む

登山口 左手に滝を見て進んでいくと、「みとの恵泉」と名づけられた湧き水があるが、落ち葉に埋もれ見逃しそうだ。スタートしてから1時間15分で林道登山口に着いた。やれやれ、やっと着きました。

小休止の後、案内標識のところから急斜面を登っていく。スギの植林の、林床には頼りなさそうなシダが少し生えているだけで掴むものがないので苦労する。それでも僅か10分弱で稜線に出た。
植林の中の急登
案内プレートのある林道登山口 スギ林の急斜面を必死に登る

稜線に出ると右折して40mほど下ると鞍部だ。左手からは広島県俵原林道の枝道からのルートが上がってきているが、一見、歩く人があまりいないようで道はササに覆われている。鞍部からは先は小振りのブナ林が広がり、1077m独標を過ぎたあたりが最も素晴らしい(右の写真)ように思える。今の時期は木の葉を落としてしまっていて裸の樹木が立ち並ぶ向こうに猿政山の東斜面が透けて見える。

ササは腰〜肩の高さまでだが踏み跡があるのであまり気にならない。右手の平坦な稜線に広場のようなところがある。電波塔の建つ926m三角点峰のようだ。電波塔があるということは林道が伸びていると思われるので、格好の猿政山の展望台か?
ブナ林
稜線にはブナ林が広がる

トチの原生林 標高1080mくらいから登りが始まるとササが突如として消えて、林床がシダに覆われた苔むした植生に変わった。春になると多くの山野草が見られるような雰囲気のところで、きっとこのあたりに5月の連休の頃サンカヨウが咲き乱れるんだろうな。長い林道歩きと稜線までの急登に喘いだ者だけへの自然からのプレゼント…次回は新緑の時期に登ってみよう。

立ち木についても同じようなことが言える。今までの密生したブナ林から疎らなトチの原生林へと変わり、稜線歩きのときと趣の違った猿政山の顔を見ることができる。このあたりは傾斜が緩く明るい原生林の中をルンルン気分で登っていったんだが、この後とんでもない急斜面が待ち受けていた。
トチの原生林が広がる

標高1100mくらいから急登が始まる。東斜面の急峻・険阻なところに付けられた登山道には、何ヶ所もロープ場がある。普段はロープがあっても利用しないか、または、補助的に利用するくらいだが、ここはそうもいかない。ロープの助けがないと登れないヶ所もある。

振り返れば登ってきた林道からのルートや北に続く稜線が見える。下の方では木の間越しに見えていた吾妻山や比婆山系がすっきりと見えるようになってきた。船通山の左手に山頂部に雪を抱いた大山が浮かんでいる。稜線が近づくと植生は再びブナ林へと変わってきた。他の山ではあまり見ることのできない植生の変化が猿政山の魅力のひとつだろう!
険しい登り
険しいところを登っていく

大山 比婆山
頭頂部に冠雪が見られる大山をズームで引き寄せる 比婆山系(吾妻山は比婆山御陵の手前に重なっている)

猿政山山頂にて 猿政山南尾根に乗り、右折してササの五月蠅いヤセ尾根を登っていくと山頂部の東端に着く。左に折れて東西に細長いフラットな山頂部を西に向かっていくと程なく、でっか〜い1等三角点の鎮座する猿政山に着いた。山頂付近には残雪が見られたが一体いつ降った雪なんだろうか?

山頂からは北から東にかけて(大山の方向)開けているが、他は雑木が茂って概して展望は良くない。大毛無山方面の方向に踏み跡があったので少しばかり踏み込んでみたが、距離にして50mくらい下ると急に踏み跡が不鮮明になる。このあたりに○○○○が咲くんだろう。誰もいない山頂でのんびりとラーメンを食べていると、相次いで2組の登山者が上がってこられ、狭い山頂は突如として大入り満員になってしまった。
猿政山山頂の花のお嬢さん

下山はピストン。来た道を戻り山頂部の東端で右折して南尾根に乗る。ここは注意したいところだ。うっかりそのまま直進して北東尾根の急斜面を下るととんでもないことになってしまうらしい。山渓の分県登山ガイドブックにそのような記述があり往路登山を薦めている。今日は連れがいるのであえて冒険をすることはあるまい。登ってきた道を忠実に辿る。

緩斜面の東尾根を下っていくと5分くらいで殆ど気にならないような登りがあり、木の枝にハガキより一回り小さい黄色のプラスチック板が取り付けてあるところが急斜面に下る左折分岐です。ここも注意したいところで、うっかり通り過ぎて下っていくと広島県側の俵原林道に出てしまう。
急斜面分岐
急斜面に下る左折分岐

原生林を下る 左折分岐から今度は急斜面を下っていく。登っていくときも難儀したが、下りは登り以上に気を使う。鞍部付近まで下ると一息つく。林道に下る稜線の分岐は踏み跡が自然と左カーブしているので、踏み跡を追っていけば問題はない。山頂から50分で林道に下り、あとは林道を下っていくだけだ。登りで見かけた野鳥調査の人は未だ双眼鏡を片手に熱心に観察を続けていた。仕事半分・趣味半分と言ってたが、好きでないと続けられないだろう。

下山後に可部屋集成館で見頃の紅葉を見物して、高野町に戻り、いつものY農園でおいしいりんごを買い求め、恒例の高野行きが終わった。今年は夏場の猛暑など天候不順で農家は災難だったが小粒ながら甘みのあるりんごが収穫できたとのことでした。
トチの原生林を下る

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