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山 名
吉和冠山(1339m) 額々山(1279m) 寂地山(1337m)
工程図を見る
広島県廿日市市吉和
登山日 2010年6月24日(木) 快晴 吉和冠山(吉和ICより)
吉和IC出口より望む吉和冠山
参加者 単独
コース 松の木峠登山口(8時50分)〜875m独標点(9:05)〜958m独標点(9:25)〜1164m独標点(9:50)〜(10:05)羅漢展望地(10:10)〜吉和冠山分岐(10:25頃)〜(10:55)吉和冠山(11:00)〜花の観賞5分ロス〜小川林道分岐(11:25)〜立ち話5分ロス〜広高山分岐(11:50)〜(12:05)ボーギのキビレ(12:10)〜広高山鞍部(12:25)〜倒壊小屋(12:40)〜(12:55)林道終点(13:25)〜(13:40)額々山取り付き(13:45)〜(14:05)稜線出合い(14:25)〜額々山(14:27)〜(14:55)寂地山(15:00)〜後冠山分岐(15:25)〜吉和冠山分岐(15:40)〜羅漢展望地(15:55)〜(17:05)松の木峠登山口
お弁当 ヒロコウ谷の林道終点で食べました。お昼の候補はもちろん吉和冠山 or 寂地山でしょう。
駐車場 冠高原スキー場駐車場(30台くらい停められます)
トイレ 冠高原スキー場にトイレがありますが現在では閉鎖されています。吉和IC方面からだと潮原温泉入口に公衆トイレがあります。
まとめ 梅雨の時期を迎え山に行けない日々が続いています。天気予報では今週末も雨模様なので梅雨の中休みの日に思い切って休暇を取りオオヤマレンゲを見に行くことにしました。今回の山行きのねらいはオオヤマレンゲの他に、珍しいランに逢うこと、額々山の林道登山口を確認すること、額々岩に対面することの4つでしたが、概ね目的を達成できて満足できる1日となりました。

少し早めに出立したものの、可部の手前から勝木台付近まではノロノロ運転だ。いつもは自宅から広島北ICまで30分くらいなのに、この日は1.5倍くらいの時間がかかった。逆方向なのに平日の通勤時間帯はこんなに車が多いものなのか!吉和ICで下り冠高原に向けて国道186号線を走る。冠高原スキー場の駐車場に着くと既に10台以上の車が停まっている。この時期の吉和冠山の人気の高さがうかがえます。


松の木峠登山口 登山支度をして国道434号線を県境松の木峠の方に向かうと3分で冠山登山口のある松の木峠に着く。案内標識のところから幅の広い未舗装林道を北に向かって緩やかに登っていく。875m独標点付近にはエゴノキの花弁が無数に落ちている。エゴノキはそろそろ見納めのようです。

910m台ピークの手前から左手の山口県側にはヒノキの美林が広がる。ヒノキ林はここから1164m独標点の少し先までずっと続いていた。910m台ピークから鞍部までヒノキ林の中を急下ると、今度は急登が延々と続く。こりゃあしんどいねぇ。右手の自然林には小振りのブナが見られるようになってきた。
松の木峠登山口(向こう側は山口県)

ロープ場を過ごすと1164m独標点に上がる。ずっと登り続けたので平坦な道になってホッとする。右手には国体コースの稜線が見えている。再び登りが始まるが、今までのに比べると断然楽だ。左手のヒノキ林が切れカラマツ林に変わってきた。また右手の自然林にはブナが多くなってきた。

寺床まで登るとやけにテープ目立つではないか。これは恐らく寂地林道に下る道のマーカーだろう。桑原先生の 「西中国山地」 には 「常国から寺床に上がる尾根道は消失している」 と書かれているが、寂地林道から吉和冠山に登っている人が少なからずいることが窺える。この道を利用すれば寂地峡を起点にして、寂地山〜吉和冠山が周回できそうだ。
平坦な道
1164m独標先の平坦な道

寺床からすぐに羅漢山展望地に着く。松の木峠コースは登山口から山頂までずっと展望のない樹林の中を歩くが、ここだけは南側がぱっと開けて、鬼ヶ城山と羅漢山が重なって見える。その手前には登山口の松の木峠や冠高原スキー場のゲレンデも見える。中国自動車道は冠山トンネルの山口県側出口付近が見えている。

羅漢展望地から先は手つかずの原生林が広がっている。主はやはりブナで、アシウスギの大木もかなりの数がある。ちょうどコゴメウツギが見頃で、あちこちで可愛い花を咲かせている。
原生林
ブナとアシウスギの原生林

冠山分れ 冠山分れには案内プレートがあるものの、プレートが逆向きに取り付けられているので松の木峠から登っていったときには見落とす可能性があるので注意!ただ、登山道が二分するので、直進が寂地山方面で右折が吉和冠山だと容易に想像がつくと思う。

地面に無造作に置いてあるプレートには 「ひろしま国体。山岳縦走コース」 と書かれていた。ひろしま国体が開催されて14年もの月日が流れ、当時の山岳競技に使用されたルートは今では消失しているといっても過言ではないので、このようなまぎらわしいプレートは出来れば取っ払って欲しいものだ。実際に、冠山手前のどこからか国体コースに抜けるバイパス道が出来たのかと疑ってしまいました。
案内標識が逆向きの冠山分れ

オオヤマレンゲ 冠山分れからは、前後して登っていた単独行の年配男性とオオヤマレンゲ群生地までご一緒する。オオヤマレンゲはちょうど見頃で、ぴったしのタイミングだった。蕾もたくさんあるので当分は楽しめるだろう。

吉和冠山の山頂の人影はまばらだ。皆さんオオヤマレンゲを見に行っているんだろう。サラサドウダンの花は見当たらない。北側の懸崖上の展望地から展望を楽しんだ後、下山にかかる。
吉和冠山
オオヤマレンゲの花 吉和冠山の山頂標識

吉和冠山からの展望
吉和冠山の懸崖上からの展望(もみの木森林公園の方向は樹木が邪魔をしているのですっきり見えないのが残念だ)

小川林道分岐 何ヶ所かあるオオヤマレンゲの自生地を過ごし下っていく。太田川源流の碑の分岐の30m先に小川林道の分岐があるので右折して中津谷川源流域のホン谷に入る。

ホン谷は緑いっぱいの世界だ!こんなに緑が多いということは秋には紅葉の美しい森が見られることでしょう。林床はアサガラの花(米粒のような花弁や黄色い葯の付いた雄しべ)で埋め尽くされている。写真では判り難いが踏み跡はあります。
私製プレートの掛かる小川林道分岐 緑いっぱいのホン谷

やがて広い谷に沢が現われる頃、植物観察中男女3人ののグループに出合う。たぶん小川林道終点から登ってこられたんだろうが、手つかずの自然が残されているホン谷は植物の宝庫なんだろう。

渡渉を繰り返しながら沢沿いの道を下っていき、左岸側に付けられているの横木の階段をトントンと上がると広高山分岐に着く。二本のスギの大木が目印だ。このスギの大木の間の階段を下ると小川林道に出る。ここでは左の水平な道をとり、ブドウゴヤ谷を遡っていく。倒木がいくつもあり決して歩き易い道とは言えないが、しっかりした踏み跡があるので楽に歩ける。
広高山分岐
大杉が目印の広高山分岐

ボーギのキビレ ブドウゴヤ谷を詰めていくとボーギのキビレに上がる。ここは十字路になっていて、左手が後冠山、直進がヒロコウ谷、そして右手がが広高山方面です。道の真ん中に頭が赤い杭が埋められているが、何らかの境界標識だろう。

小休止の後直進してオサカエノエキ(紙祖川の源流域)を下る。源流域に出るまではテープも踏み跡もあったが、そのうち何れも見当たらなくなった。
オサカエノエキ
十字路峠のボーギのキビレ オサカエノエキに下りたところ

だだっ広い源流域を下っていくと、水の流れが認められるようになり、やがて沢へと変わっていく。広高山鞍部に上がる道を見落とさないよう、沢の右岸を歩いていると、右手の細い樹木の幹に青テープが巻いてあるのを見つけた。その先にある踏み跡を駆け上がると、テープだらけの広高山鞍部に出る。

広高山鞍部を直進(右の斜面を登ると広高山)すると、5分くらいで沢に出合う。倒木の多い沢を下っていくと、沢が合流する地点に出るので、左岸に付いている踏み跡を下っていくと倒壊したワサビ小屋がある。ここで右岸に渡り大トチの倒木の先で左岸に渡り返し、ササの茂る高巻き道を進んでいくとヒロコウ谷の林道が見えてきた。
鞍部
テープが目立つ広高山鞍部

林道終点 ジワリジワリと下っていくと林道終点の、「わさび圃場へ立入禁止・益田市」 の立て札のところに飛び出す。林道終点にあった作業小屋は撤去されていた。林道には出ずに、そのまま直進して沢に寄り添ったところがヒロコウ谷からの額々山への取り付きなので、その方向に踏み込んでみたが、相当荒れていて今では歩く人はいないように見受けた。

林道終点でお昼にする。道ばたに座り込んで弁当を広げたとたんにハエがまとわりついてきて、うるさくて、お昼どころではない。こりゃあ新しい虫除けを買わなくてはシーズンが乗りきれないぞ!そそくさとお昼を済ませて額々山に向けて出発する。
林道(下の林道)終点に飛び出す

林道を80mほど下ったところから、左手にワサビ田の手入れ道が上がっていたので、この道に入る。車が楽に入れるくらいの道幅のある手入れ道は間もなく途切れ、そのまま山の方に向かって歩いていると古いテープが見つかった。紛れもなく、今歩いている道は以前の登山道に違いない。

やがて上の林道に出合う。右を見ると樹木の幹に何ヶ所も赤テープが巻きつけられているのが目に留まる。どうやらここが額々山の取り付きのようです。参考.額々山取り付きは上の林道終点の手前200mのところにあります。上の林道はネコノ尾の手前まで伸びていました。
額々山取り付き
上の林道からの額々山取り付き

ワサビ田 取り付きから突入し、ワサビ田の端っこを登っていきます。ワサビ田はすぐに終わり自然林に変わる。樹林の中に珍しいツクシガシワの花が咲いていた。

しかし急な斜面だ!ササがあればササを掴みながら登っていくことができるんだが、掴むものがないのには苦労する。それでも僅か15分喘いだだけでガクガク尾根の稜線に出た。右の写真の○のところに 「←広高谷」 のプレートがあるので逆方向でも安心!
稜線出合い
ワサビ田の端っこを登る ガクガク尾根稜線出合い

稜線出合いを右折してガクガク尾根を西に向かう。右手には木の間越しに広高山〜吉和冠山が見えているが…今の時期はすっきりとは見えない。少し左に振れるとスギ林の下りとなり、暫く下っていくと登山道わきに二枚貝のような形をしたガクガク岩があった。稜線出合いから9分。ガクガク岩だからガクガクと動くのかと思い岩の上に乗ってみるがびくともしない。今日はここで引き返す。いつの日かガクガク尾根を通して歩いてみたいものだ。

国土地理院の地形図では、三角点のある1279m峰が額々山と記載されている。一方、桑原先生の「西中国山地」では、1227m独標がガクガク山で、ガクガク石がその西側にあると書かれている。まぎらわしくて、一体何が正しいんだろうか。ガクガク山はどちら?そしてガグガク岩はどこにあるの?
ガクガク岩
二枚貝のようなガクガク岩

額々山 ヒロコウ谷から登ってきたところまで引き返し、そのまま尾根道を直進すると3等三角点の鎮座する額々山に着く。周囲は樹木が茂り展望はないが、左手前方の小高いことろに上がると目の前に寂地山が見える。

東よけ岩を右手から巻いて下っていく。少し下ったところで見上げると、その大きさが判る。東よけ岩の下まで下り、さらにスギ林を下っていく。
東よけ岩
3等三角点の鎮座する額々山 東よけ岩(この上が山頂)

寂地山 鞍部まで下ると自然林に変わり、グリーンシャワーを浴びながら登り返す。ところが途中で足の筋がピクピクしだしたぞ。こりゃあいけん。小枝で杖を作って四本足で斜面をヨタヨタと登っていく。やっとこさ稜線に出て、右折して200mほど進むと最終目的地の寂地山に着く。額々山から寂地山まで30分近くもかかってしまった。

ベンチに腰掛けて暫し休息した後、重い腰を上げ下山にかかる。冠山方面への縦走路はアップダウンが少なく快適だ!ブナやでっかいアシウスギを鑑賞しながらのんびりと進んでいく。松の木峠が近くなった頃、どこからか夕焼け小焼けのメロディが流れてきた。時計を見ると午後5時だ。今日は遅くまで山に遊んでもらいました。
誰もいない午後の寂地山

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