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山 名
備前坊山(789m)
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広島市安佐北区
登山日 2008年12月13日(土) 晴れ 備前坊山(07/03/21撮影)
堂床山中腹より望む備前坊山
参加者 単独
コース 南原バス停(8時40分)〜上南原橋(9:00)〜舗装終わり(9:25)〜(10:00)中倉峠(10:05)〜主稜線出合(10:26)〜備前坊山(10:30)〜686m峰(10:55)〜巡視路出合(11:10)〜7号鉄塔(11:15)〜4号鉄塔(11:30)〜503m分れ(11:42)〜巡視路合流(11:55)〜舗装路に出る(12:10)〜(12:25)南原バス停 所要時間3時間45分
お弁当 午前中登山のためありません
駐車場 南原バス停付近の路肩(探せば迷惑にならないところが何ヵ所かあります)
トイレ 南原峡の可部冠山登山口(水洗です) 中倉峠の休憩所(やむを得ない場合を除いて使いたくありません)
まとめ 備前坊山は南原峡側、千代田側のどちらから登っても中倉峠までのアプローチが長いので敬遠していたが、中電の巡視路を利用して周回することにしました。これなら林道歩きは片道だけだから。午後所用があるのでお昼には下山する予定でタイムスケジュールを組んだが、下りで予想以上に時間がかかってしまいました。

可部バイパスを走り南原橋手前の交差点を左折して南原峡に向かう。駐車しようと思っていた南原バス停広場(中電南原発電所広場)はいつの間にか施錠されていて、広場の中に入ることができない。仕方ないので付近の邪魔にならないところに駐車する。


南西尾根 南原発電所広場からはロックフィルダムが見え、その右手に2系統の送電線が備前坊山の方に上がっている。今日は中倉峠から登り、下りは送電線に沿って下りてくる予定です。送電線はダム堰堤の下側から一気に立ち上がっていて、急斜面であることが伺える。こりゃあ下りは膝が笑いそう!

白木山の方から陽が登りまぶしく感じる。5分で南原隧道を抜けると紅葉の終わった南原峡の山々が目に飛び込んでくる。そして右手下にダム湖が見える。今の時期は貯水量は少ないね。ダム湖沿いの道を下っていくと、右手75度の方向にに備前坊山が姿を現してきます。高いね〜え!まだずいぶんあるよ。
送電鉄塔の建つ備前坊山南西尾根

ところで、昨年春に訪れたときは、大規模な土砂災害により車道が至る所で崩壊し、発電所広場から先が車両通行止めだったが、いつの間にか復旧しているではないか!しかし、土砂を満載した3台のダンプが自分を追い抜いていく。こりゃあ竜頭ヶ原園地より奥の方は未だに復旧中なんだろう。

南原バス停から20分で上南原橋に着く。南原峡の加賀津の滝・可部冠山・堂床方面は橋を渡って左折するんだが、今回は右折して林道中倉線に入り広島県自然歩道を歩く。橋を渡ったところに設置してある広島県自然歩道の案内標識には「千代田町上畑6.8km」とある。中倉峠までは、その半分くらいの距離だと思う。
上南原橋
上南原橋を渡って右折する

舗装路終点 上南原橋から10分でヤマメ釣り場があるが、今はシーズンオフなので閉鎖されていた。林道は気にならないくらいの登りが続いていたが、コンクリート橋を左岸に渡り沢から離れていくと登りがきつくなり、やがて舗装が切れる。ここに1〜2台の駐車スペースがあり車が停まっている。どなたかが山に入っている。

ここからジャリ道を進んでいく。付近には石積み跡が見られる。路面の状態は良くないので車の乗り入れは控えた方が良いだろう。しかしタイヤの跡があるぞ。地形図に破線のある谷は荒れている。今では消失しているんだろう。
舗装路終点(ここからはバラス道)

前方から大きな犬を連れて散歩中の男性が下りてきた。舗装終点にあった車の持ち主だろう。少しだけ話をしたが備前坊山の名前はご存じなかった。挨拶をして先を急ぐ。北にヘアピンカーブするところからは福王寺山が見える。

やがて植林帯が雑木林に変わる。石のゴロゴロした道は歩き難いが辛抱して進んでいく。堆積した落ち葉の下に小石が隠れているので厄介だ。右手には備前坊山の山頂部がだいぶ近くなってきました。歩けど歩けど峠が見えてこないので、いい加減うんざりしてきたころ、ようやく峠が見えてきた。
小石の多い道
小石の多い歩き難い道

中倉峠 手すりに沿って進んでいくとスグにヒノキ林の中に入り、160度の方向に登っていく。林床は背丈の低いササが密生しているが歩くのに支障はない。薄い踏み跡が続いていて、それを辿っていけばよいが、倒木が多く微妙にルートが変わっている。

植林が切れて、ツガやアセビの多いところを通過すると、再びスギ林の植林となり、120度の方向に登っていく。中倉峠から14分で屈曲点に出て右手160度に振れる。一瞬「あれっ?稜線に出たのか」と思ったが、単に支尾根が分かれている地点だった。下るときは要注意の地点だろう。
ヒノキ林
ヒノキ林の尾根道

伐採地からの眺め 屈曲点を過ぎると左手が大きく伐採されていて見晴らしが良い。遠くは見えないが40度の方向に千代田堂床山が見え、その左右の千代田町・八千代町の町は霧の海の下に沈んでいる。

伐採地の周囲には防獣用のネットが張り巡らされていて、ネットに沿って登っていくことになるが、ネットのひもに足がひっかかるのと、日当たりがよくササの勢いが強いのとで、逃げるように植林の中に入り、その中を歩かせてもらった。
伐採地からの眺め(雲海と千代田堂床山)

稜線に出て右折すると歩き易い道となり、3分で三角点の鎮座する備前坊山の山頂に着いた。運よく三角点が目に入ったのでよかったが、うっかりすると通り過ぎてしまうかもしれない。展望はなく、西側にあるアセビの木に登頂記念プレートが幾つか掛かっているだけの、淋しい山頂です。

山頂でのんびりとしたいところだが、時間がないので先を急ぐ。そのまま主稜線を南下していきたいところだが、山頂から先は倒木が多くなり、右手にかわしてアセビの木の間をすり抜けていく。右手も雑木が密生しているところがあり少し厄介だ。
備前坊山
展望のない備前坊山山頂

南尾根 平坦な山頂台地を南下していき、下りが始まるところで左手を伺うと明瞭な尾根が見え、さらに明瞭な踏み跡が尾根沿い南東140度の方向に下っている。この尾根道に入り緩やかに下っていき、続いて右手に派生している支尾根に乗る。ここは倒木があるので少し判り難い。

最初の関門を通過すれば一直線の尾根道が続く。しかし、塹壕のようなところあり、土塁のようなところありで、変化に富んでいる道だ。ヒノキ林の中の道は展望は全くない。ササの勢いは大したことはないので気楽に歩けます。
ヒノキ林の南尾根を下る

686mピーク 不明瞭な踏み跡を辿り緩やかに登っていった先に686mピークがある。ここからが第2の関門だ。進行方向にコンパスをセットして慎重に下っていくと、古道に出合い、やがて明瞭な尾根道が現れたので一安心。古道はほぼ尾根沿いに付いている。

いつの間にか右手の植生は松の混じる雑木林に変わる。小コブを右から巻いていくとハイウェイが見えてきた。巡視路だ!
巡視路出合い
ササ床の686mピーク 巡視路出合い(奥側から下りてきた)

巡視路出合いから5分で、南原支線7号鉄塔に着く。そこからは白木山が見える。さらに5分で6号鉄塔、さらに5分で5号鉄塔、さらに5分で4号鉄塔と続く。4号鉄塔から送電線が下っている西南西の方向に福王寺山が見えていて、その背後にも水越山などが連なっている。左手には阿武山も近くに見える。しかし気温が上がりすぎて霞んでいるので遠くの山ははっきりしない。 4号鉄塔からの眺め
4号鉄塔からの眺め

503m分れ 4号鉄塔の先は切れ落ちていて道がないので、来た道を1分くらいバックして、巡視路標柱(4号・3号)のあるところから下っていく。このあたりの道は左右ともに白色の荷造り用テープが張られている。そう、○○茸山なんですね。「11月末まで入山禁止」の立札がありました。自分は下っているので入山禁止と言われても困りますが…10〜11月は無暗に入り込まない方が良いでしょう。

軽いアップダウンの先に503m分れがあります。右手の登っていく道は3号鉄塔に続く道だと思う。ここは安易に左手の下っていく道を選択した。下っていけば何とかなるだろう。
503m分れでは左手の下る道をとる

先ほどまでは送電線に沿って下ってきたが、随分と離れていきつつある。このままでは、ひとつ南側に走る送電線の方に行ってしまうので、最初に現れた分岐で軌道修正をしてトラバース道に入る。このトラバース道は、どうやら南原発電所から上がっている二本の送電線各々の巡視路を結ぶ連絡道のような役割りを果たしている。

暫く進んだところで、二つの系統の巡視路の合流地点(枝分れ地点)に着く。ここから南原発電所に向けて240度の方向に一気に降下していきます。
連絡道
巡視路連絡道合流地点

巡視路は尾根沿いに付いていて、自然の地形を上手く利用していることもあり、急斜面であることを余り感じさせない。巡視路によく見られるプラスチック製のステップもたくさん取り付けられているので、とても助かります。

下るにつれて、ロックフィルダム堰堤が大きく見えるようになってきた。思えば電源開発の御母衣(みぼろ)発電所ダムを見学したのは今から35年も前のことだが、石を積み上げただけの工法に驚き、スケールの大きさに目を見張ったことを、つい先日のように思い起こします。
ロックフィルダム
ロックフィルダムを見ながら下る

舗装路に下りる 発電所近くまで下ってくると、ブーンという励磁音が大きく聞こえてきます。南原支線1号鉄塔(だと思う)の右手から下っていき、山裾を回り込んで舗装路に出る。そのまま、発電所の敷地に沿って舗装路(何となく車道ではないようです)を下っていくと、中国電力管理地・中国企業管理地の立札のあるところに出て、20m先にある堂面橋を渡って集落の中のバス道に出る。

ここから南原発電所広場まで、1km弱の道のりを歩いてスタート地点に戻る。全体的に展望はなかったが、トレーニング(今回は読図トレも兼ねる)が目的だったので、良しとしましょう。
舗装路に出てきた