区のハイキング(山本地区の歴史に触れる) 戻る

2011年11月27日(日)

毎年11月の後半に区のハイキングが開催される。今年は自分の学区が当番だったので5月頃から準備に入りようやく本番を迎えた。集合場所の春日野小学校には区内26学区から約60名の参加者が集まった。「山本地区の歴史に触れる」と題した今回のルートは、三谷川入口ホタル池〜三谷川三面石組堰堤〜大塚峠〜丸山横断道〜岩観音〜上観音〜湯つぼ跡〜やん谷〜中国自然歩道、と巡りスタート地点の春日野小学校に帰ってくる周回コースです。出発式・体操の後、班ごとに出発する。

工程図は こちら から
春日野小学校

用水路沿いの道を下り、三谷入口にあるホタル池のところから谷に入る。暴れ谷には半世紀前に造られた堰堤が幾つも並ぶ。沢沿いの道を登っていくと三面石組堰堤が見えてきた。右の写真は石組堰堤の最上部から下方を見おろしたものです。

【三谷川源流三面石組堰堤】 大正15年と昭和3年の「山本水害」の後に10年の歳月をかけて築かれた美しい曲線の石組堰堤です。数10年にわたり山本の町を守り続けたこの堰堤は、標高300メートルの山中にあり長く人の目に触れることはありませんでしたが、平成20年登山道整備中に「再発見」され新聞やテレビでも大きな反響を呼びました。町の歴史の貴重な証人であるこの堰堤を後世に伝えるために、地元自治会などが定期的に清掃活動をおこなっています。
三面石組堰堤

急斜面の三谷を大塚峠まで登ると広島南アルプスの縦走ルートに出合う。縦走ルートをほんの少しだけ歩いて丸山横断道に入り、左手下方に春日野造成地を見ながらトラバースしていく。支尾根に乗り少し下ると岩観音に着いた。

【岩観音】 見上げるほどの大岩の上にまた大岩が乗っかっていて、この大岩の下はかなり広い岩屋になっています。この岩屋が「岩観音」で、「古観音」とも呼ばれており、小さな祠が三社と、古い石地蔵が一体安置してあります。道はありませんが大岩の裏へ回り込んでみると、下の大岩も山の斜面から傾いて立っているのがわかります。文章だけで説明するのは難しいのですが、岩全体が実に微妙なバランスで「落っこちずに」立っているので、受験生がここに参れば試験に「落ちない」こと間違いなし。
岩観音

岩観音から少し下ったところの送電鉄塔で眺望を楽しんだ後、上観音で昼食休憩にした。ここまでは設定タイムどおりで出発して2時間くらいだ。昼食後に広場から見える山を説明したり、山本学区のKさんの案内で鐘楼に熊が登った跡を皆に見てもらったりと有意義な時間を過ごす。

【上観音】 境内はおよそ50坪の広さで、高さ1.5mの石積みの壇に入母屋造りの小堂と、そばに鐘楼が建っています。この地は昔、西念寺(さいねんじ)という寺がありました。上観音の由来、沿革は詳しくはわかっていませんが、宝永3年(1706年)の創設と伝えている本尊は聖観音の小像です。もとは立派な仏像が安置してありましたが盗難にあいました。鐘楼は昭和37年に再建されました。昭和48年に、宗教法人「西倉寺(さいぞうじ)」と改め、高野山真言宗に属することになりました。
上観音

昼食を終え集合写真を撮った後、鐘楼の先で右に折れてやん谷に向けて下っていく。やん谷の奥部に湯つぼがあり、すぐ上には源泉(もしかしたらただの冷水?)であったと思われるところもある。

【湯つぼ跡】 山道をくだった谷間に到着するとプールのような石組みが現れます。ここが江戸時代から明治の中期まで栄えた温泉だった「湯つぼ跡」です。昔この谷に湯がわき、それを浴びて上観音で祈願すると、霊験あらたかに病気が全快すると言い伝えられ、これが世に広まり参詣者が多くなったため、小屋がけの湯つぼが造られました。湯つぼの大きさは、縦470p×横85p×深さ55pで、中が仕切られて二つの浴槽になっています。
湯つぼ

やん谷を下っていくと、山本林道に出る。この道は中国自然歩道の 「矢口−極楽寺ルート」 の一部となっています。舗装路をテクテク歩いて三谷入口から用水路沿いに上って春日野団地の中を抜けてスタート地点の春日野小学校に戻る。所要時間は4時間半くらいでした。

【山本林道】 山本林道は昭和44年に木材等を運ぶ道路として着工され、山の中腹を切り開いて完成された道路です。平成元年に幅員4mに舗装されました。この林道は、南に下ると西区己斐や大茶臼山(標高413m)に通ずるとともに、沼田町へ通ずる峠を越えて、広島市立大学校を右に見下ろして大塚に抜けています。この道を通ると自然や歴史、文化を、四季を通じて探勝することができるので、県が「中国自然歩道」に指定し、昭和57年にこの趣旨を記した立派な標識が建てられています。
山本林道

祇園西公民館発行 「ふるさとやまもと」 の記事を一部引用しました。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送